ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
大きなことで気になることは、大塚英志さんの議論を土台にしていることと(もちろん、そこから大きく発展していますが)、そのせいで「実存」というところへ行ってしまうことでしょうか。大塚さんが土台にしている江藤淳から、どれだけ遠く離れているのでしょうか。『作家は行動する』の江藤淳。
現実と虚構の区別を廃して、すべてがデータベースに依存するようなところで、だからこそ、虚構であるキャラクターをも現実のレベルで受け取る感受性、それこそが新しいリアリズム=ゲーム的リアリズムである、というのがとても大雑把な論旨だと思います。著者は、そのような現実と物語、作者と読者を取り巻く現代の環境の分析から出発することに新しい批評の可能性を見ているようです。
節々に興味深い内容があふれ、作品分析もさえていて、なにより論旨の展開が面白い労作です。でもやっぱり、いわゆる文学を「リアリズム」という線で考える限界のようなものがある気がします。ポストモダンな現実を錯覚のように織り込んだ物語によって、現実の読者が肯定される―これは素朴な反映論になる危険がないだろうか。「世界の肯定」という可能性も、「おー、なんかこれリアル」という読者による自我像の投射が文学の可能性のすべてということにならないだろうか。本書が江藤淳のタタリでないことを祈ります。
多重人格探偵サイコ BOX [DVD]
あの漫画の実写ドラマ化ということで見てみました
さすがに実写だけにグロさはすごいですね
グロいのが駄目だという人にはお勧めできませんが
役者さんの素晴らしい演技力と三池監督の演出力は必見です
と言う訳でWOWOWさん続編の方よろしくお願いします
リヴァイアサン 終末を告げし獣
私は原作をまったく知らないのですが十分楽しめました。
聴けば聴くほど味が出るというのでしょうか。
Sound Horizonファンの方にも是非聴いて欲しいです。
ヴォーカリストはSizzle Ohtakaさん、RIKKIさん、
Aramaryさん、Hawk Spencerさん、ギラ・ジルカさんが参加しています。
ヴォーカリストさんにより曲の好き嫌いはあると思いますが
私はどの方の歌声もそれぞれの曲に合っていると感じました。
購入を迷っている方は試聴してみると良いと思います。
多重人格探偵サイコ (15) (角川コミックス・エース 23-32)
残ったメインキャラで唯一マトモ(?)そうな笹山が、
重く壮大になりすぎた物語を救っています、が、
ジャンプ連載後期のスラムダンクを雑誌で読んでいるような物足りなさを感じました。
スラムダンクは単行本になってみればあまり気にならなかったですが、
単行本でそう思ってしまうというのは、やはり密度が薄いのだと思います。
実際、読み終わるのも早かったこと早かったこと。
(一緒に買った同じくらいのページ数のほかの作品は倍かかりました)
久々にカーアクション(?)が出たのはちょっとピリッとして良かったですが、
カーアクションはやはり西園伸二と鬼頭の2CVがピークでしたね。
ラスボス?の彼女の存在についての解釈も、何か唐突な感じですし。
結末は気になるんですが、何巻続くのか・・・
この冗長な展開で読み続けられるほどの魅力はもう感じません・・・
次はレビュー見てから買います。