Water Me
“Last Kiss”以来の久々のロックバラード。BONNIEさんは最近ぢゃ、スウェーデンプロデューサーを起用したPopでオシャレな楽曲が多かったけど、今作は日本人プロデューサーが担当したらしぃですね。ピアノ伴奏も久々とぃぅか…。ってか、最初のイントロ部分とサビの終わり部分がたまらないです!!まさにBONNIEさんに潤わされてる感じがたまらない!!“Gimme A Beat”もナイス!!まさに僕の求めてぃるBONNIE PINK!!もっとこーぃぅオシャレな歌を歌って欲しいです。
Thinking Out Loud
ボニーピンクの魅力のひとつを、この最新作を聞いて思い出した。
幸福なのに、どこか漠然とした不安がつきまとう
陰があって鬱なのに、現実を受け止めて明日を肯定する
そんなイメージを、詞だけでなく曲や、また歌い方から表現すること。
時にそんな楽曲は、地味だったり、分かりにくかったりする。
だけど何回も聴いて味が出てくるような曲が多かったからこそ、長く好きでいられたし、ずっと支持されている理由なのかもしれない。
ここ何作かのシングル曲は、吹っ切れたかのようなアッパーな曲が続き、世に出る機会も増えた。メロディやアレンジも含めて、一度聴いただけでわかる完成度の非常に高い楽曲もそれはそれで楽しいのだけど、なんとなくステージが別の方向に上がっていってしまったと感じていたのは、単純に売れたから、という理由だけではない。わかりやすさを追求したが故に感じられなくなった部分があるのは当然のことではあるが。
本作では陰のあるボニーが戻ってきた。どの曲にも、簡単にはわからせてくれないような深みや心地よい違和感を感じる。収録されているシングル曲「A Perfect Sky 」「Anything For you」「Water Me」は明らかに他の曲とは雰囲気が違う(それは決して悪いことではないが)。悲しいテーマであるはずの「Water Me」でさえも、わかりやすさ故に他の曲が持つ深みはないように感じる。
シングルのヒットがあって、その後の初のオリジナルアルバムとしては、“シングル曲以外は地味”という感想も妥当なところだと思う。だけど昔からのファンにとっては十分に満足いく作品になっているはずだ。
昔は、製作時の精神状態がそのまま楽曲に反映されている、という内容のインタビューを読んだことがあるのだが、今はどうなのだろう。さすがにもう、計算でやってるのかもしれない。このままいってください。
シチズン・リテラシー―社会をよりよくするために私たちにできること
志の高い良書だと思います。藤原和博さんの「よのなか科」が現実の枠組みを所与のものとしている印象があるのに対して、「シチズン・リテラシー」の試みは、現実の枠組みを検証し、それを主体的に自らのサイズに合うように変えていこうという強い意志が感じられます。
ただし、どうしても「教科書臭さ」というか、上から教えようという感じが拭いきれてないような気がします。本書が扱う問題群は、本来ボランタリーな活動であるにもかかわらず、識者が教え諭そうとする姿勢にジレンマを感じます。
この点に関して本書で救いを見出せたのは、随所に掲載されたコラム欄です。現場の活動や、教育実践例を取り上げるなど、いきいきとした内容になっています。子どもたちに向けては、このコラム欄の内容を中心に伝えていけば、自発的な興味関心を引き出せるかもしれません。大人の読者も面白く読めると思います。
著者たちの目論みどおり、「シチズン・リテラシー」が義務教育の中で取り上げられるならば、日本の民主主義にも期待が持てるのですが。。。出版元が教育出版ということなので、教育界にインパクトを与えることを祈ります。
あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書
ほぼ全教育を公的に供給するスウェーデン、「知識資本」を育てることに心血を注ぎ、世界一のIT国家に
のし上がった最大の福祉国家の中学校の社会の教科書、ということで興味を持つ人も多いでしょう。
中学生の子の家庭教師用の教材として購入してみました。
この教科書は法律と犯罪、人間関係、経済、コミューン(自治体)、社会保障というセクターに分かれています。
この本の最大の特徴は「あなた」という視点にたって書かれていることだと思います。
法律の話での、あなたは○○歳になったら○○が出来ます、という紹介をするのもそうですし、経済のセクターは
実際の子ども達の経済(お小遣い)の話から入ります。また、「課題」として「あなたはどう考えますか?」という
問題提起が非常に多く入っています。実際の授業では毎授業ディベートが行なわれるのでしょう。
「あなたと他の人々」というセクターがあるのですからうらやましいです。
また、具体的な犯罪→裁判の流れを追ってみたり、麻薬の話、性の話など、全て生徒に身近な、具体的なところから
入って、その後に説明をしたり、議論をさせたりする、という流れなので、とてもわかりやすく、問題意識を持たされます。
中学生へのアンケート結果や、色々な統計の結果などもたくさん載せられ、スウェーデンの社会福祉の現状を
知りたい方にもお勧めだと思います。特に、大きな裁量権がある「コミューン」の仕組みについて一章割いて
くれていますし、例えばスウェーデンの犯罪者ケアーに関する市民の実名の意見を掲載したところでは、
ある男性が「犯罪者についてあれこれ言うのは全くスウェーデン的」と言っていたり、別の人は
具体的な「スウェーデン的」提案をしていたりと、実際スウェーデンの人が社会福祉国家をどう思っているのか、
どうしてその体制をとっているのか、具体的に見ることができます。
私自身、いろいろ考えさせられそうです。
教育や福祉に興味がある人、スウェーデンに興味がある人、教師・親である人など、どんな人にもお勧めです。
いろいろなところで絶賛されているのも当然です。