ファミリー・シークレット
彼女と同じ経験をしたなら、わたしは、彼女のように文章の才能がないので
もしかすると犯罪を犯していたかもしれない。
最後の方は、悲しくて、悲しくて、とても辛かった。
わたしも、柳さんいっしょい祈りたい気持ちになりました。
美里さん、幸せになってください。
命 [DVD]
この映画はヒロインと不倫相手にできた子供の誕生と、ガンの発病で余命宣告をされたヒロインの元恋人との対比表現と次第に赤ん坊にひかれていき生きることに無意味さを覚えていた東由多可(豊川悦司)は徐々に生きることへの執着を見せます。特に神社にお参りに来て赤ん坊を抱き、父親と戯れる幼子を見ながら東が人知れず泣いている様は本当に生きる意欲や単純な悲しみが伝わってきます。このあとも東と柳美里(江角マキコ)の闘病生活は続きやがてそれにも終わりが来ます・・・。この映画は命の大切さや、他にも伝わるものが大きい作品です。
現代文学論争 (筑摩選書)
これらの論争、うっすらと記憶にあるが、正確には知らなかった。著者は、論争の発端、展開、参加者のプロフィール、結末を、要領よくまとめてくれている。膨大な資料の渉猟を要したであろう。労作の名に値する。
ただ事項を整理するだけでなく、著者ならではの辛らつな評価を加えており、読者により趣味・感想は別れるだろうが、読んでいて楽しかった。懐かしい文士、評論家の名が多く出てくる。論争の背景にある時代性、今より出版文化に活気があった頃の息吹を思い出させる。その時々の権威・大物たちが、今の目から違って見えるのも面白い。個人的には、大岡昇平がスターリニストだったという指摘などをもっとふくらませてほしかった。
川端康成自殺の真相をめぐる論争以後、著者は作家研究が停滞したという。作品に対する評価も甘くなったという。確かに作家は、マスコミと出版社に守られ、スキャンダルもほとんど報じられない。文学と作家は聖域に置かれ、祭り上げられる一方で、小説ジャンルの質と人気が衰えている現状を著者は嘆いている。だが同時に、著者が文学の可能性を信じていることも伝わってくる。辛らつなだけでなく、愛情もあるのだ。
文学をやせ細らせている原因は単なる権威主義ではない。また、文芸の将来性は、たとえばネットのようなテクノロジーにあるのではない。その可能性は、率直にものを言う気風の復活にある、と著者は考えている。私も同感だ。あとがきにあるように、そのような気風の実践として、本書は書かれている。
ただ、この著者には不安もある。自分が川端伝の決定版を書く、と宣言しているところなど頼もしい。だが、この著者は、文献研究は得意でも、評伝を書くために必要な関係者への取材などはできるのだろうか。柳美里論争の「真相」についても、ありそうな1つの推測に過ぎず、裏付けの取材を行っていると思えない。当事者は存命であり、やろうと思えばできたはずだが。なぜそれをしないのだろうという疑問が残る。
二人
私は『雨と夢のあとに』というドラマの主題歌で、
彼女という歌手を知りました。
それ以来、ずっとファンなのです。
このアルバムは、素晴らしい曲・歌声の中で
全曲を担当している柳美里さんの詩に強く引き付けられました。
お話の作り手、ということもあってか
詩に物語を感じさせるものが多いです。
切ない、独特の世界に、奥田さんの歌声ごと引き込まれてしまいます。
奥田美和子さんを知らない人でも
このアルバムを切っ掛けとして、奥田美和子さんの歌に触れて欲しい。
自信を持っておすすめ出来る作品です。