SUPER FOLK SONG~ピアノが [VHS]
「SUPER FOLK SONG」の録音風景を坂西伊作氏が監督したドキュメンタリー・フィルム。映画館でも公開されました。録音風景の合間に、糸井重里氏、鈴木慶一氏、谷川俊太郎氏、三浦光紀氏、宮沢和史氏へのインタビューも挿入されています。時に、鬼気迫る厳しさを見せつける矢野さんと、吉野金次氏をはじめとするスタッフのかっこよさは、まさにプロフェッショナル達の創作現場。矢野さんの音楽にかける真摯な姿勢が伝わってくる好作品です。
2000年にDVD再発されました。
AKIKO-LIVE 2008- [DVD]
実際にこの公演を観に行った身として言えば、演奏は最高でした。
いつものアンソニーやクリフとのトリオではなく、最近組まれた
面々での演奏ですが、アルバム「akiko」を再現するには最適な
メンバーによる演奏で、矢野さんのテンションの上がり具合も
見て取れます。
付属のCDについては、ライブで頻繁に演奏される割には、そのアレンジが
映像化も音源化もされていなかった「Rose Garden」が収録されたことが
非常に大きな意味を持つと思います。
しかも「Rose Garden」だけで9分に迫る演奏時間の長さ…ということで
矢野さんとマークのソロプレイも余す事無く収録されていて聴き応えもあります。
マイナス点と挙げるとすれば
・リリースに時間がかかり過ぎたこと
・実際の演奏曲目から7曲もカットされていること
(うち2曲は別会場の演奏がCDに収録)
CSで中継されており、もちろんそちらは全曲放送しましたから
それを考えると、別途特典映像などが無い分、ボリューム不足が否めません。
音楽堂
エンジニアの吉野氏が倒れる前から計画されていて、
彼が倒れたために頓挫…するのかと思いきや、すぐさま
吉野氏復帰のためのチャリティーコンサートを催したり
音楽のちから ~吉野金次の復帰を願う緊急コンサート [DVD]
リハビリがてらにiTunesで配信される弾き語りコンサートの
音源を自宅で療養中の吉野氏にインターネットなどを用いて
遠隔でミキシングさせたり、、、
結果的には、矢野顕子が弾き語りのアルバムを世に出すために
欠かせない人物である吉野氏を回復させるための作品になった。
彼はこの作品に携わるために相当な努力をしたということが
矢野顕子の公式HPで公開されている、まるで映画の予告編の様な
アルバム「音楽堂」のトレーラーを見ることで解ります。
男は自分の回復のために、女は自分の作品を完成させるために。
各々で独立した目的が一つの点で大きく強く結び付いて完成した
バックボーンの非常に深いアルバムです。
満点じゃない理由は「まだ」耳に馴染まないから。
しかしそれもいつものことで、心地良くなるのも時間の問題です。
プレイス・トゥ・ビー・ツアー・エディション(DVD付)
てっきり、CDの方もライブ音源かと思って、PLACE TO BE
最初の初回盤持っているのに買ってしまいました。
やっちまったっ!
CDのレビューは既発売の「PLACE TO BE」に任せるとして、
おまけのDVD。
はやく、ライブBlu-Ray(DVDではなく^-^)出してくれっ!
という気持ちにさせてくれます。
彼女のピアノは神がかっていますっ!
曲がれ!スプーン [DVD]
本広克之監督の「サマータイムマシンブルース(STMB)」、「UDON」に続く香川三部作とも呼べる作品。
年に一度、巷の超能力者が密かに集うカフェでのドタバタ劇。世の不思議を信じるTV局AD(長澤まさみ)は取材する度、偽者に失望させられながらもひょんな事から此のカフェへと辿り着き...。其の能力たるや、どれもせこいかったり、安っぽかったりするが、心優しい彼らは傷心の白雪姫に七人の子人の如く小さな奇跡を起こす。
劇団系の個性的な役者の旨いが空気に馴染めていない演技と、前出二作を見ていないと分からない小ネタ満載で、観る人、観る順番を選びそう。原作舞台「冬のユリゲラー」は'00年初演以来、何度も再演され完成度は高い。しかし、空気感で得られる笑いと銀幕越しとでは文法が違う。役者自身の手探り感と相まってギャグがお寒く感じられるのは其のせいだ。他メディアを映画の作法で如何に観客にお見せするかも監督の腕の見せ所。舞台と映画は別物と割り切って良い。出来、商業的共に悲惨だった前作「少林少女」の後だけに監督自身の弱気(BGMの使い方といい、ラストの見せ方といい)が見え隠れする気がした。長澤の甘ったるい、舌足らずな話し方は好みが別れるが、とてもキュートだし、もっとメインに持って来た方が良かったのではないか?其の方がクリスマスキャロル的なオチが活きたと思う。
ちっこい超能力に、大袈裟なストーリー。ファンタジーなのだから其れぐらい大層で良いのだ。所々らしさを秘めながら名作STMBを越え得ないのが残念。イケメンや見慣れたタレントが溢れかえり其れを売りにする映画の多い中、新鮮ではあった。“「踊る捜査線」以外観るべきもの無し”のレッテルを貼られぬ内、機会が有れば是非、次の本広&ヨーロッパ企画作品に期待したい。