GVD globe decade -globe real document- SPECIAL BOX [DVD]
僅か3年前くらいのグローブを追った作品なのだけど、今見返すと全編明るい雰囲気に関わらず見てて悲しくなってきてしまいます。
理由として「居なくなったもの」があまりにも多いから。
散々出てきては笑顔を振りまくケイコパパ、マークに弄られいいネタにされている吉本のマネージャー、貴重なゲリラライブで盛り上がった大分トリニータのスタジアム・・・
と、今は手元からなくなってしまったモノばかりだ。
馬鹿高そうな服や必要以上にでかい車を撮影に使っているけど、それも素直に凄いとは思えなくなってしまった感じ。
ただ出演している当時の側近を見ても、みな楽しそうにしていて、それまた切ない。
罪と音楽
ファンにとって、小室哲哉氏に関するモヤモヤとした思いを、
何らかの形で総括できる本となっていると思います。
30代半ばである私は、多感な時期をTMネットワークの音楽と共に過ごしました。
しかし、いつからか、大衆にわかりやすさだけを追求した、
氏曰く『馬鹿にならなければ書けない』音楽ばかり量産し続ける人になってしまい、
わたしはTMファンであったことを恥ずかしくすら考えるようになり、今に至っていました。
この本の最初の方で、氏はブライアンイーノの環境音楽に言及しつつ、
自らのFar Eastern Windというシリーズについて『降ってきた音だ』と紹介しています。
iTunesのみで聴くことが出来るので、試聴してみたところ、
なにか、複雑な気持ちになりました。
20年ぶりくらいに、氏の音楽に向き合ってみようと思っているところです。
話題的には転落ぶりが重みを持つのであろうと思いますが、
それよりも、音楽活動そのものについての等身大な内容のほうが重要だと感じました。
氏がこれまでどのようなことを考えて活動をし、
どういう自己評価をもっていたのかまでがよく分かります。
かつてのような奇妙なハッタリなどを廃しているのも良い点です。
是非ご一読を。
その時の空
作詞・作曲者は音楽業界の大御所。唄うのは関西の重鎮、やしきたかじん。
確かにこのキャスティングだけで十分話題性はあるし、買う人も多いだろう。
でもこの歌の持つ本質は、この国に住む全ての人におくる応援歌であり、
小室氏も言うように売れる曲ではなく広がっていく曲であって欲しい。
OSAKAあかるクラブは財政破綻当然でドン底の地元から全国の人をサポートするチャリティ。
年寄りや子供達だけじゃなく若者にも不遇なこんな時代に、大阪からこの国を明るくするんや!
このメッセージを率直に歌い上げ、ジワジワ元気が出てくる名曲です。
楕円とガイコツ―「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」
僕は5年前、音楽製作をやり始めたときに、山下さんの本を読んで理論を研究していました。
この本の前までの理論の根幹だった「メタ・ブルース」理論が発展的に解体し(否定しているわけではない)、さらに新たな段階へブレイクスルーしていった経緯を見て、本当に感動したのを覚えています。
去年著者による坂本龍一の本が新しく出ましたが、その坂本龍一も新しく全30巻の音楽全集シリーズを刊行するとのことで、なんというか、次世代に残すための、新しい音楽(の理論や教養)の「スタンダード」となるものを提示しようとしている、そういう意志のようなものを、両者に感じます。
そして小室哲也は、去年事件によって逮捕されてしまいましたが、純粋に音楽をクリエイトする喜びに溢れていた頃の(売り上げなどでない)音楽そのものの輝きが、再評価されても良いように思う。そしてまた再び音楽そのものの力によってカムバックしてくれるのではないかと、僕は信じています。