太陽の塔
修学旅行でしか知らない「古都京都」だが、ここに描かれている京都は狭くて、寒くて、へんてこな世界。
京都に土地鑑がないのが残念。
知っていればもっと楽しめそう。
一気に二度、読みました。
展開のよさ、スピード感、若さゆえのばかばかしさがあってすごく楽しめる小説。
それにしても、頭がよすぎるのも考えものだなー。
一般人が感じえないものごとも、よりいっそう深みにはまって考えてしまう精神構造が笑えるのだ。
モンタイユー―ピレネーの村 1294~1324〈上〉 (刀水歴史全書)
14世紀初頭のビレネー山麓に位置する小村モンタイユー。ここで行われた異端審問官ジャック・フルニエによる異端審問記録は、克明に中世後期の農村の暮らしを描写していました。フランス・アナール学派を代表する歴史家ル・ロワ・ラデュリは、この史料を用いてこの時代の研究としてはあり得ない精緻さでもって分析を加えていきます。
人口250人ほどの小村であるモンタイユーでは、「家」こそが価値体系の最上位を占めていたこと。そして年長者から年少者へという一方通行の文化伝達経路を伝って異端であるカタリ派が入り込んでいること。そして彼らの結婚観、人生観、死を迎える瞬間など様々な人生の局面が描き出されていきます。
ここに登場する人々(むろん実在の村人です)もすばらしい個性を放ちます。司祭でありながら異端に染まり、権力の中枢を掌握して村娘と情事を重ねるピエール・クレルグ。彼と長い愛人関係にあり、奔放で波乱の人生を送った元城代夫人ベアトリス・ド・プラニッソル。何より一介の羊飼いであるものの、哲学者と言っても過言でないほど研ぎすまされた人生観、倫理観の持ち主であり、幾度もの裏切りにあいながらその愛すべき生き方を変えようとしなかったピエール・モリ。
権力者たちの陰謀ばかりを追っていると批判されがちな歴史学ですが、本書に描かれているのは一つの村で繰り広げられた生々しい人間ドラマです。500年前の人々の喜怒哀楽まで見えてくるような気がします。訳も秀逸です。歴史を勉強してみようかな、という方は必読の書です。
ピレネーの太陽 - セヴラック、サラサーテ作品集 (Le Soleil des Pyrenees - Music by Severac, Falla, Sarasate)
ジェラール・プーレはフランスの大御所。これほど繊細で色彩的なヴァイオリンはなかなか聴けない。伸びのある音は、若々しい。深尾由美子も、フランスのリヨンの国立音大を出ている人で、フランスものを得意としているらしい。セブラックの、なかなか耳にする事の無かったヴァイオリンの作品が、艶やかに演奏される。深尾によるセヴラックのピアノソロも良い。ここに収録されている曲は、一度聴いたら耳に残り、何度も聴きたくなる。
ファリャの6つの小品は、文字通り小粒なのだが、小気味よい演奏だ。
そしてチゴイネルワイゼン。ダイナミックで感動した。この曲でピアノについて評するのも変かもしれないが、サラサーテのピアノ伴奏は単純な音型を繰り返すようなものが多いのに、それを歌のように聴かせる。歌うヴァイオリンにフィット。
モンタイユー―ピレネーの村 1294~1324〈下〉 (刀水歴史全書)
14世紀初頭のビレネー山麓に位置する小村モンタイユー。ここで行われた異端審問官ジャック・フルニエによる異端審問記録は、克明に中世後期の農村の暮らしを描写していました。フランス・アナール学派を代表する歴史家ル・ロワ・ラデュリは、この史料を用いてこの時代の研究としてはあり得ない精緻さでもって分析を加えていきます。
人口250人ほどの小村であるモンタイユーでは、「家」こそが価値体系の最上位を占めていたこと。そして年長者から年少者へという一方通行の文化伝達経路を伝って異端であるカタリ派が入り込んでいること。そして彼らの結婚観、人生観、死を迎える瞬間など様々な人生の局面が描き出されていきます。
ここに登場する人々(むろん実在の村人です)もすばらしい個性を放ちます。司祭でありながら異端に染まり、権力の中枢を掌握して村娘と情事を重ねるピエール・クレルグ。彼と長い愛人関係にあり、奔放で波乱の人生を送った元城代夫人ベアトリス・ド・プラニッソル。何より一介の羊飼いであるものの、哲学者と言っても過言でないほど研ぎすまされた人生観、倫理観の持ち主であり、幾度もの裏切りにあいながらその愛すべき生き方を変えようとしなかったピエール・モリ。
権力者たちの陰謀ばかりを追っていると批判されがちな歴史学ですが、本書に描かれているのは一つの村で繰り広げられた生々しい人間ドラマです。500年前の人々の喜怒哀楽まで見えてくるような気がします。訳も秀逸です。歴史を勉強してみようかな、という方は必読の書です。