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White Light White Heat
全6曲、どの曲も素晴らしいけれど、やっぱり「Sister Ray」にとどめを刺す。
永遠に終わらないんじゃないかと思うような混沌とした音。
まるで脳が麻痺していくような気持ちになる。
一方では1stの「I'll Be Your Mirror」のように、この上ない優しさを持つルー・リードだけれど、ここでは暴力性や退廃性が押し出され、それがこのアルバム独特の雰囲気を醸し出している。
そして、そのルー・リードと火花を散らすジョン・ケイル。
彼の存在が、このアルバムを最高にスリリングで魅力的なものにしている。
二つの類い希な才能の衝突は、結局これを最後にジョン・ケイルは脱退しちゃうけど、ロック史に残る名盤を生み出した。
いつまでも色褪せない「ヤバさ」がある。
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『奈良美智×村上隆』+『アンディ・ウォーホル』 [DVD]
DVDは既に持っていたのですが、奈良×村上コラボレートオリジナルポストカードにひかれ、また買ってしまいました。
奈良の女の子の絵のバックに、村上のお花がある作品と、村上のカイカイキキのキャラに、奈良が描いたギギがある作品です。今ではありえない組み合わせかと。
DVDも、見応えがあって、おすすめです。
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プラスティック・ビーチ (エクスペリエンス・エディション)(限定生産盤)(DVD付)
やはりデーモンアルバーン、天才です。
ミュージシャンとしてでも、ボーカルとしてでも、ソングライターとしてでもありません。実はこの人、もともとプロデューサー的な能力が天才的なんです。
このアルバムはあまりにもたくさんの人とコラボしていて、誰が参加しているのか全く把握しきれないほどですが、アルバムとして全く散漫な印象がありません。むしろそれどころか素晴らしいコンセプトアルバムと言えるほどです。
曲ごとにおそらく参加しているアーティストが違うと思われるのでアルバム全体としての音を語るのはそもそもナンセンスなのですが、あえてそこを語るなら、キーボの背景的な使用、骨太のベースライン、牧歌的だがどこかねじれた旋律などが新要素として耳に残りました。(キーボではなくてギターに特殊なエフェクトをかけている音なのかもしれませんが)
一人とコラボしただけで焦点をしぼりきれないアーティストが多いのにこの統一感は圧巻の一言。やはり流石はデーモンです。the good, bad, and the queenで正反対のグルーヴを持つベースとドラムを見事共存させたように、またここに奇跡のミクスチャーサウンドが実現しています。
ファーストのころはところどころでブラーとの共通点も見えましたが、アルバムごとにブラーからの飛距離を増し、もはや音楽的な共通項は見当たらないほどに。
ラストアルバムにふさわしい充実した傑作になっています。
DVDは作成中の映像カットの寄せ集め。作成を楽しんでいる感じは伝わってきて興味深いですが、個人的には繰り返して見たいようなものではなかったです。
P.S. ラストアルバムじゃないかも…だそうです。曲がめっちゃ余ってるとかなんとか(by デーモン)。聴きたい…!!
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アンディ・ウォーホル/コンプリート・ピクチャーズ [DVD]
かつて映画 I shot Andy Warhol で彼と周辺の世界にはまってしまい、貪るように
彼の著作を漁り、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴きまくったクチで
最近たまたまこのDVDを試聴したが、コアなファンにとってこの英国チャンネル4製作のドキュメンタリーは、
特に新しい映像があるわけではなく少々期待はずれであった。
やはり「スーパースター」あたりが面白かったと記憶する。
とはいえビギナーには、参考にはなるだろう。