アマルフィ
酷な評価が多いみたいだが、私はなかなか楽しめた。幼女誘拐事件からラストまではほんとにノンストップで、先が気になってなかなか本を閉じられなかった。確かに犯人の行動がよく分からないところもあるが、読んでいるときはそれなりに納得していた。キャラ設定が甘いという指摘もあるが、その分現在進行形の事件に多くのページを使っているので、説明文的なものは非常に少ない。黒田はとても魅力的な主人公に私は見えた。
ただ、真保 裕一氏ならもう少し緊迫感のあるクライマックスを書けたんじゃないかな、とも思う。映画化が前提だからかも知れないが、名作「ホワイトアウト」のクライマックスとは比べ物にならない。それがちょっと残念。
でも純粋な娯楽小説としては十分楽しめたと思っている。やはりこの作家さんは面白い。
映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い [DVD]
確かにドラえもん…確かにドラえもんなのですが!!
もはや元祖ドラえもんとはまったく違うアニメとして見ました。
キャラクターの動きはすごく生き生きとしていますがそれがちょっと行き過ぎと言いますか…くどい。のび太がドラえもんに泣き付くところなど。
ドラえもんはあんなにオッサンみたいに居間でごろーんと横になってドラヤキ食べながらテレビなんて見ない!
等と細かい設定が気になりつつ見ていましたが。
甥っ子がいるのですがその頃にはこの次世代のドラえもんは当たり前になるんだろうなぁと大山のぶ代世代の私はちょっぴり物悲しく思ったりしました。
ただ映像の美しさや見せ方には素晴らしいものがありました。(教室での薄暗いシーンやのび太の部屋の窓に写る夕映えなど非常に雰囲気が出ていました)
話しとしては面白かったので星5つ。ドラえもんとしては星3つ。中間をとって星4つです。
ホワイトアウト [VHS]
初めて物語ホワイトアウトを知ったのはなにげなく聴いていたラジオだった。NHKのラジオドラマでいやはやひさしぶりに手に汗握った。すぐに小説を読了。おもしろい。これは絶対映画化すべきだと思った(爆笑問題の太田光もラジオの深夜放送でしゃべっていた)。で、じっさいに映画化。「紙芝居」と表現したのは平安堂系列のフリーペーパー「ナイスディクラブ」だったが、その通りだと思う。映画後半に向かうにつれてひどくなる傾向。ただし捨てておけないのは本物の雪。映画「シザーハンズ」で偽物の雪にショックを受けた人は多いはず。2003年1月4日民放で放送。久しぶりに見たらテレビのステレオ音声でもスピーカーマトリックスでサラウンド。ホールエコー頻出し美しい。名作映画までもう一息の惜しい作品。
アマルフィ (講談社ノベルス)
映画化という話がまずあり、そのプロットに参加し
それを映画とは少し違った形で小説化、という異色作。
自分は映画の方は見ていない。
正直ホワイトアウトにはがっかりしたので、
(尤も織田さんの演技は良かったと思うけれど。)
積極的に「見たい」とは思えず。
普通の小説とは発端が違うせいか、いつもの真保さんの小説と比べれば
緻密な作りこみよりも単なる派手さが目立ち、
そうなると説得力よりも、”ただの一外交官にここまでできるわけがない”
と引いた見方をしてしまいがちなせいか
ネット上で見た限りは酷評も多かったようだ。
ただ自分としてはやはり最低限の説得力はきちんとあったし
後半にいくにつれての怒涛の展開も面白かった。
何より社会派ミステリーとでも言うのか
着眼点が素晴らしく、単なる謎解きに終わらず
訴えるものがあり
それでいて痛快に読める小説だと思う。
機会があれば映画の方も見てみて、小説版とどう違うのか見てみたい。
なにより、アマルフィを見てみたくなった。