不動心 (新潮新書)
定評を得ている一冊。本書を通じて、松井秀樹の人格の良さ、成功した所以が伝わってくる。普段あまりコメントを出さない彼とファンとの橋渡し効果もあるのではないか。ここで我々が本書から学ぶべき2つの点について整理する。
「コントロールできることとできないことを区別する」
野球の場合、投手が次どんな球を投げてくるか分からない。それについてあれこれ考えるより、自分ができることだけに集中して最善を尽くしなさい。これを意識するとしないのとでは大きな差があるのではないか。
「努力できることが才能である」
父が小学校3年の秀樹に送った半紙に書かれている言葉。この言葉は今でも彼を励まし続けている。一部の人間を除いて才能にそこまでの差はない。差が出るのは努力の量・質である。
beatmania 7th MIX Original Soundtrack
7番目のbeatmaniaのサウンドトラックです。
今回は原点に戻って、HIPHOP、TECHNOなどのジャンルも再出。
その一方で、現行のTRANCE、2STEPなどの新しいジャンルもでてきています。
とにかくボリュームは大ありですが、
好みではない曲が混じっている場合があるので、1つのCDとして聞くのは困難だと思います。
曲攻略、気に入った曲があった場合の購入はオススメです。
マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男
大リーグの万年最低年俸球団であるオークランド・アスレチックスがいかにして低予算の中で常勝軍団へと成長していったか。それは、長年の野球の歴史の中で培われていった「常識」というものを根本的に見直し、1シーズンを通して勝利という二文字に最も貢献する要素は何なのか、ということを熟考して実行したビリー・ビーンというジェネラル・マネージャーと彼の部下の力によるところが大きい。「元野球選手」で固めたフロント・オフィスが多い中、ビーンGMはハーバード卒のアシスタントGMやスカウトを据え、何よりもデータを重視する球団経営を実行していく。「打率」よりも「出塁率」を重視し、ホームランを数多く放つスター選手よりも選球眼を備えた無名選手を重宝する。というよりは、低予算の中ではそ!うせざるを得ないのだ。3割の打率、だけどその他は殆ど凡打や三振をする選手よりも、打率こそ2割5分、だけど四球を選ぶ力をもって4割の出塁率を持つ選手の方が重要。「何割の確率でヒットを打つか」というよりは「何割の確率でアウトにならないか」の方が重要。考えてみれば当たり前なのだが、常識にとらわれているとこんな当たり前のことに気付くことは難しい。これは単なる野球に関する物語というよりは、ビジネス本である。日本のビジネス界においてもまだまだ「経験」とか「フィーリング」を頼りにする企業が多いが、何よりも数字やデータを信じ、成功につながる要素は何なのかを論理的に考えれば、ビジネスが成功する確率は飛躍的に高まるはずだ。ボストン・レッドソックスの新GMに若干28歳のエプスタインが!就任したことは記憶に新しいが、彼もまたビリー・ビーンの心棒者である。日本の弱小球団のフロント・オフィスも参考になる事項が多いと思う。また、日本の某巨大球団があれだけのスター選手を揃えていながらピリッとしないのは何故なのか、というヒントにもなる。野球を見る眼が変わるし、ビジネス上も役立つ、非常にインスピレーショナルな本だ。
マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
オークランド・アスレチックスのGM、ビリー・ビーンが独特の才気と強気と
統計学を応用したチーム編成を経て、万年貧乏かつ弱小だったチームを毎年
プレーオフ進出の常連にまで押し上げるノンフィクション。このサクセス
ストーリーは現在も進行中である。
内容は統計学を応用して、本当に勝利に貢献できる選手を掘り出しては安く
使って利益を得るという一連のスキームの有益性が実に面白おかしく書かれて
いるので、一見誰でも出来そうだと錯覚しがちになるが、実はビーン以下
フロント陣は実に強気で強引な曲者ぞろい。ちょっと日本人的な発想では下品
とも汚いとも思えることも平気でやったりなど、昨今世を騒がしたIT事業者
たちを見るようなエグさもあったりして、国民性の違いを見る思いがした。
日本でもこれは通用するかといえば、理論はOKだが選手を取る手口はNG
というところだろうか?
補足として、訳が良くないという意見があったが、原文はもっと下品な
スラングや言葉づかいが多い。むしろすっきりと読みやすくなった気がした。
そして、楽天は初代GMのマーティー・キーナート氏が本書を取り上げて
「金を使わなくとも強いチームは作れる」と主張していた。同氏はすぐ免職
されてしまったので、この論理が本当に使われたのかどうかは不明だが。
さらに現在、本書にもっとも近い選手に対する考え方をしている野球関係者
こそ、現楽天監督の野村氏ではなかろうか。私は彼が好きではないけど、
まず試合を作れるピッチャーの育成、出塁の重要視など、バントの使用以外
でかなり本書の理論と通じるものがあると思う。