きみのためにつよくなりたい
サンボの初期からのファンであるほど、最近のシングルには
不安を感じていたと思います。「甘過ぎやしないか」と。
僕自身、より届く言葉を探そうとする方向性には共感しつつも、
あまりにその意図にのめり込み過ぎている気がして
若干のとまどいを抱えながら、このアルバムを購入しました。
しかし一聴して、全ての不安は吹き飛びました。
愚直な言葉を極上の音と渾身のパフォーマンスで届ける、
考えて見れば何も変わらない、しかし格段に進化したサンボがいました。
よりシンプルに、より美しく、より激しく。
きっとこの言葉じゃないと、この音には負けてしまうし、
この音じゃないと、この言葉は伝わらない。素直にそう思えるのです。
どの曲にも必殺のフレーズとメロディがあり、捨て曲がありません。
それが考え抜かれた曲順で並び、あらゆる角度から「愛」の形を削りだします。
これほど繰り返し聴いているのは1st以来かも。
街を歩きながら、車の中で、ひとりの部屋で。
どんな場所でも世界にただ一人の自分を、奮い立たせてくれるアルバムです。