プレイ・ヤード・ブルーズ
ジョン・ノーラム、4年ぶりのソロ作品。
再結成ヨーロッパや、近年の自身の作品ではダウン・チューニングや変則調律等、モダンな手法を取り入れてへヴィなサウンドを追及していたが、本作品ではタイトルが示す通り、全編に渡りブルーズ中心の楽曲が揃えられている。1曲目「Let It Shine」他、近年のジョン・ノーラム印のリフが聴けるが、何しろ曲がブルージーなので、ヨーロッパ風では無く、渋くて完全に雰囲気の違う感じに聴こえる。曲も素晴らしいが、ギターのサウンドがこれまた素晴らしい。自身のリスペクトする、シン・リジィやマウンテンのカヴァーも収録。
制作中に奥さんが亡くなるという、辛い時期を乗り越えて発表された本作に込められた思いは、ジョン自身が歌詞カードで述べているが、息子と共に写ったジャケット写真は、何とも泣かせる。音楽業界全般にソロ・アルバムというと、ミュージシャンの趣味的な趣向が強かったり、自己満足的な内容で終わってしまうような物も多く存在するが、本作は、かなり良くできたブルーズ作品であるので、ジョン・ノーラムのファン以外にも、ブルージーな音楽を探している方も是非どうぞ。
フェイス・ザ・トゥルース
ジョン・ノーラムのセカンド・ソロ作品(1992年)。本作のヴォーカルはあのグレン・ヒューズだ。
グレンの熱いヴォーカルと、躍動感溢れる北欧様式美系メロディアス・ハードの、理想的な結合による大傑作と言えるだろう。楽曲が良い。特にバラード。
彼のギタースタイルは、時にゲイリー・ムーア、ランディ・ローズ、ジョン・サイクス、イングヴェイを彷彿させるようなところもあるが、奔放さと聴かせどころをズバリ心得た、的確なフレージングや、変則的なリフ構成、それでいてキメどころはしっかりとキメ、一緒に歌いたくなるような分かりやすい歌メロは、彼独特でエクセレント!である。
とにかく、「ヴォイス・オブ・ロック」のグレン・ヒューズが歌っているのだからサウンド面での相乗効果はなおさら推して知るべしである。
ついでにグレン・ヒューズのファンの側から言わせてもらうと。グレンのソロ作品でも、このような純粋ストレートなギター・ロックは珍しい。グレンの数多いキャリアの中でもこれは屈指のロック・パフォーマンスである。
グレンはこの後、1994年復活の傑作ソロ「フロム・ナウ・オン」(1994年)を発表するが、このアルバム特にジョン・ノーラムとの出会いが彼のシーン復帰を強く後押ししたことは容易に推察できる。
思えばグレン・ヒューズは、リッチー・ブラックモア、トミー・ボーリン、ゲイリー・ムーア、トミー・アイオミ、パット・スロール、パット・トラバース、マーク・ボニーラ、スティーヴィー・サラス等数々の個性的で優れたギタリストたちと仕事をしてきたが、この作品は、それらのまさるとも劣らぬ傑作である。
このアルバムを気にいった人は、やはり、グレンとジョン・ノーラムの共演が聴けるグレン名義の「L.A.BLUES AUTHORITY VOLUME 'U」(リッチー・コッツエン他多数参加)を聴いて欲しい。本作とは正反対のヘヴィ&ブルージーな楽曲を体験することができ、大変興味深いものである。
トータル・コントロール
スウェーデン・アルバム・チャート4位!シングル・カットされた#1も4位と大ヒットを記録。
個人的には#2を聴くだけでも、買いです。ドラマティックな流れ、後半の洪水のように押し寄せるギターは鳥肌ものです。
コシの強い縦横無尽に駆け巡る、アイリッシュ魂(もっと言えば、シン・リジィ)にインスパイアされた透明感溢れる独得の泣きメロ、旋律が素晴らしい好盤!です。
YOUNG GUITAR (ヤング・ギター) 2010年 07月号 [雑誌]
デビュー以来、国内外からの教則ビデオ出演のオファーを「自分はあくまでも表現者であり、先生ではない。教則ビデオ類には一切出ない」と頑なに拒み続けてきた国内最高峰のHR/HMギタリストである高崎晃が、遂に本誌付録のDVDでエクササイズフレーズをこれでもかと披露しています。これはとてつもない快挙です。エクササイズフレーズはラウドネスの新譜のキーとなるリフが主ですが、高崎晃が世界的ギタリストにのぼつめたのは、超絶テクニカルなギターソロだけが支持されていたのではなく、希代のリフメイカーとしての才能が世界に評価されていた事が分かる内容です。高崎晃はもはや超絶ソロ(と言っても、ファンはご存知の通り彼の超絶テクニカルソロは完璧な表現力を伴っており凡百の「テクニカル系ギタリスト」達のソレとは次元が違っている訳ですが。)云々で語られるべきレベルを超越しています。
エクササイズフレーズは基本的に難易度は抑えられていますが、格好良さは折り紙付きです。
初心者でも高崎晃の真髄を満喫出来る、教則DVD第一弾として完璧な内容です。
尚、リフがメインと書きましたが高崎晃の代名詞であるタッピングフレーズもちゃんと収録されています。
これもシンブルなものが主体ですが、表現手段としてのタッピングのポイントを初心者でも身につけられる奥の深い内容です。高崎晃の良心が感じられます。
これをきっかけに高崎晃に興味を持たれた方は、ラウドネスのテクニカル路線最高峰のアルバム「Soldier of Fortune」を聴きましょう。このアルバムを気に入ったイングヴェイ・マルムスティーンが、当時のボーカリストであったマイク・ヴェセーラを自らのバンドに後に加入させ名盤「セブンス・サイン」をリリースしています。
あの作品でのイングヴェイの鬼気迫るプレイは、明らかに「Soldier of Fortune」での高崎晃のスーパープレイに触発されています。
長々と書きましたが、とにかくオススメです!
私は三冊購入しました。