戦闘妖精雪風 OPERATION 4 [DVD]
原作と比較することはあまり意味がない。DVDはDVDとして評価すべき。さてこの回だが、とにかく雪風の機動がすごい。航空工学の最先端の機動だ。現に現有機でも似たような機動の出来る機体は存在する。メイヴはその進化型だ。主翼も動翼面として機動性を高めている上、エンジン推力を利用してホバリングする「コブラ」までやってくれるサービスぶり。最先端の航空工学に興味のある人には十分楽しめるはず。ドラマとしてみれば、地球人と「フェアリー星人」に分化してゆくような将来を予感させる展開になっている。次回作が楽しみだ。
愛され力―本当のあなたはもっと愛される。
連休中に読んだなかで、山口洋子さんのこの本がもっとも現実感があった。
本音で愛の駆け引きが語られていて、ドキリとした。
特に渡辺淳一さんとの対談は女の立場、男の立場から、かなり突っ込んだ恋愛論のぶつかり合いがあって、面白くてためになった。
さすが、直木賞作家の本だ。
戦闘妖精雪風 OPERATION 3 [DVD]
やはり原作と比べている人が多いようだが、ここは『戦闘妖精雪風』という"OVA"をレビューする場であって、原作と比べて云々いう場ではない。それに小説とアニメとは"全く異なる"ものなのだ。全く異なるものである以上、原作を忠実に再現することなど、最初から不可能なのだ。
酷評を下す人(大体、原作から入った人が多い)の中には、「意味がわからない」「理解できない」という意見がある。だが、私から見るとそれは「意味をわかろうとしていない」「理解しようとしていない」ように感じられる。あたかも、"雪風から放り出される前の零のように"である(決して喧嘩を売っているわけでは無い)。つまりこの作品は、原作とは大きく異なるということを受け入れられるかどうかが、楽しめるかどうかの鍵となる。
この作品は、飛行機好きの人、原作とは違うということを受け入れられる人にオススメする。
今作では、前2作と比べて戦闘シーンが少なく、ドラマ中心なのだが、前進翼と後退翼を組み合わせた3層構造のバンシーはおもしろいと思った。そして、"あの"脚色をよくぞ思い付いたものだと、普通に関心した。確かに、原作のもつ味は薄れてしまっているが、だからといって、何も感じないようなシナリオになっているわけではない。
最後に、「原作への冒涜」という人がいるが、とんでもない。スタッフが原作を愛していなければ、映像化自体かなわなかっただろう。制作スタッフが熱意を持っていたからこそ、神林長平は「自由にやってください」と了承したのだ。それに、スタッフが原作を愛していなかったら、東京国際アニメフェア2003(オリジナルビデオ部門)で最優秀作品賞、第8回アニメーション神戸(作品賞&パッケージ部門)で受賞などできなかっただろう。「アニメから入った人は原作は読まないほうがいい」というのも、とんでもない話だ。私はアニメから入り、後から原作を読んだが、特に問題なく楽しめたんだから。
藤圭子 GOLDEN☆BEST
まだ中島みゆきがデビューしていなかった頃、「情念の歌手」といえば藤圭子だったと思います。デビュー曲の「新宿の女」から一貫して彼女に求められたのは、「薄幸な夜の女性」だったと思います。それは、男性歌手との結婚で人気がなくなってしまったという事でもわかります。まるで、曲にからみつくようなヴォーカルが凄いです。代表曲の「圭子の夢は夜ひらく」もそうですが、「女のブルース」「命預けます」「明日から私は」「京都から博多まで」などの「女の情念の歌」のなかで、唯一「はしご酒」は楽しんで歌っているような気がします。某音楽雑誌で娘の「宇多田ヒカルの声は何故淋しげなのか?」については、やはり母親のDNAをうけついでるのではいるのも原因の一端だと思えるのですが…。