マッド・ハッター
77年録音の「不思議の国のアリス」をモチーフにしたアルバムです。ソロピアノアルバムからRTFまで様々なサウンドを創り出すチックコリアを象徴するように、ジャズ、ラテン、プログレ調のもの等々、まさにフュージョンとしかいいようのない万華鏡的な世界が繰り広げられています。メンツ的にも、drのスティーブガッド、bのエディゴメス、tsのジョーファレルらの豪華メンバーに、ハービーハンコックもゲスト参加し、サウンド面に加え、プレイ的にも楽しめる内容になっています。とりわけ良く指摘されるように、スティーブガッドのプレイは印象的です。ただ、フュージョンアルバムといっても、RTFのロックよりなサウンドではなく、カモメアルバムに近いかなりジャジーなサウンドになっている点は、購入される時に注意すべきです。
Ultra Detail Figure MAD HATTER
ジョニーファンは必携でしょう。全米大ヒットのアリスから実質上の主役マッドハッターです。なぜなら今回のアリスはバートンさん解釈によるオリジナルストーリーだからです。今からジョニー版マッドハッターの活躍が楽しみです。
Mad Hatter
1978年作品。『不思議の国のアリス』をモチーフにしていることで有名だが、どうもそう言うことを知らされずに音楽だけ聴くとピンとはこないのは僕だけでしょうか。
多くの方はラストの『Mad Hatter Rhapsody』を推しているようだが、ぼくが一番好きなのは『Humpty Dumpty』だ。ここでの音は後のチックを予感させるモノがある。そして聴けば聴くほどチック・コリアという人のピアノ・テクニックというのはエレクトリック・キーボードのフレージングをアコースティック・ピアノに持ち込んだモノだなぁ、と感じずにはいられない。『マッド・ハッター』は『マイ・スパニッシュ・ハート』と似ているが、よりエレクトリックなのだが、4ビートのスティーヴ・ガッドがカッコイイ『Humpty Dumpty』のフレージングは後のアコースティック・チックのフレーズを連想させる。
この頃の八面六臂のチック・コリアの生き様が結局今のチックの確固たる基盤となっていることは間違いない。だからその当時に組んだメンバーと今やると、とてつもなくスゴイ演奏になる。聴いててそう思う。