
マタニティ・モーツァルト
このオムニバス盤、一流の演奏家の演奏のいいどころどりで、なかなか侮れない仕上がりになっています。つまり胎児や赤ちゃんに縁のない人が聴いても、モーツァルトの音楽の天国的な美しさに心癒されます。
ひょっとすると、最強のモーツァルト、いやクラシック入門盤かもしれません。クラシック音楽に敷居の高さを感じている人には特にお薦めです。

神童/幻のヴァイオリニスト~渡辺茂夫
はっきりいってこの渡辺茂夫の演奏はイッている
テクニック的にもっとうまいヴァイオリニストは確かにいる。しかしこのCDに収録されているシューベルトのアヴェマリアやショパンのノクターンのような表現性を求められる曲で最も人を感動させることのできるヴァイオリニストはこの渡辺茂夫である。

神童
海千山千のオケマンが共演しながら本番中に感動のあまり
流れる涙をとめられなかった・・・とか100年にひとりの
天才と賞賛され続けた・・・とか
でもその評価は本人にとっては何でもないことだったの
でしょうか。
こう書くとご本人(冥福をお祈りします)にも親族の方
にも本当に失礼かもしれないのですが、この秀逸な
ドキュメンタリーを拝見すると、何か、なるべくして
あの悲劇が起こったのではないかと思えるイヤな流れが
なぜかできてしまっていたように思えました。
誰のせいというのでもなく、「二十世紀のモーツアルト」
とたたえられたこの天才の悲劇は誰にもくいとめることの
できないものだったように感じました。
でも日本に帰国なさってから、お父様が衛星放送を
テレビで流すとバイオリンを演奏するそぶりを見せた
とあります。
本人にとってもバイオリンは最後まで「善」なるもの
「美」なるもの、そして「真」なるものだったので
しょう。
これだけの演奏をなさった方ですら演奏以外の要素で
こんなにも苦悩しており、音楽が最終的な救いに
ならないのだとしたら、音楽って人間にとって何なの
だろう。と悲しみでいっぱいになりました。
だから、最後の、心のどこかでは演奏したいという
気持ちを持ち続けていたことが何か救いになっています。
あまりにも悲しいこの実話を風化させてはならないと
思います。
楽器演奏を志す人、特にちいさいお子さんに演奏を
教えている方にはぜひ御覧になっていただきたい
と思います。