モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン 完全版 [DVD]
宗教も70年代の民族系武装組織も茶化しまくったおかげで欧米では上映禁止の地域もあったという曰く付きの作品、
日本では版権がらみでか10年前のポリドール版パイソンズ全集でも復刊されなかった作品がついに日の目をみる、感無量の一言につきます。
当方もこれまでVHSの吹き替え版とシナリオ本しか所有しておらず今回の字幕版には大変期待しています。
パイソンズの他の作品同様、いやそれ以上に背景についての知識なしには笑えないシーンが多いので
万人向きとは言い難いですが、この作品を抜きにしてはパイソンズは語れますまい。
特にラストシーンで流れる「Always look on the bright side of life」は、我が生涯も斯く在れかし、という名曲。
些かなりとも洒落を解する御仁には是非お奨めしたい1本です。
モンティ・パイソン~ライフ・オブ・ブライアン【日本語吹替版】 [VHS]
宗教的に信じられてきたことへ一石を投じている感があります。とはいってもそこまで深く考えてみるよりは、ブライアンという歴史的な話に巻き込まれた青年の話と思って気楽に見るのが楽しいかも知れません。そして話がつながっているようで途中途中どっかにいっちゃうとこがまたみててバカバカしくて私は好きです。イギリス人の知人が大好きだといって、ビデオがのびるほど見てました。ブラックジョークが好きな人にはたまらない作品。
ロウ(紙ジャケット仕様)
70年代のブリティッシュ・ロックにはツェッペリンの諸作品やピンク・フロイドの狂気といった歴史的傑作が多いが、ベスト10を選ぶとすれば、D.ボウイの本作と次作「ヒーローズ」は外せないと思う。ニュー・ウェイブの台頭で騒然とする世の中に背を向けて、ベルリンに寄り添い、デヴィッド・ボウイの歌を最小限にして、イーノと組んで展開した実験的かつ深遠な音宇宙が最高。LP時代のA面(M7まで)はファンクとテクノ・ポップの融合という時代の最先端の音を追及。M1はたいていの人が聴いたことのある曲で、M4は究極のポップスで最高にご機嫌な曲。他の曲は言葉をちぎって投げつけるようなボウイの歌い方が印象的。本作で凄いのは荒涼とした土地をさ迷うイメージを喚起するインスト(1部ボウイの「声」あり)が続くM8以降。これぞヨーロッパ哀歌と呼びたい。そして、時代は「ハイ」ではなく「ロウ」と言い切ったボウイの、この頃の感性の鋭さには感心させられる。
ところで、99年デジタル・リマスター・サウンドの紙ジャケ盤は2年前に発売されている。本エディションの売りは、SHM−CDであることと、帯をオリジナルLP時代のものにできるだけ近づけたことのみのよう。私は本作の紙ジャケ盤は持っていなかったので、本エディションを購入したが、基本的には99年リマスターの音だから、99年以降に発売されたエディションを既に持っている人はよく考えた方がよいだろう。