
ダボス会議で聞く世界の英語(CD付)
世界各国からのダボス会議への参加者のスピーチを集めたもの。ネイティブスピーカーだけでないので、英語という面ではさまざまなバックグラウンドのものが聞けるので役に立つ。
CDにスピーチの録音があり、本にはそのトランスクリプト(言いよどみや言い間違い、つまった時のフィラーなども忠実に記録されている)、解説(英語およびスピーチの内容や背景知識)などが含まれる。
ここでのスピーカーの最大の目的は「聞いてもらえること」であるから、そのために何をするべきかを学ぶのには最適である。もちろん、スピーカーの戦略はさまざまだから、話す内容、論理の立て方、文章の表現、用語の選択、そして実際のデリバリーでどのような工夫をするか、そしてそれらをどのように組み合わせるかは千差万別である。読者はスピーチを聞いて、各スピーカーがどの程度それらに成功しているかを評価し、自分が話す時に何をすれば良いかを学ぶことができる。
英語に関していえば、ネイティブスピーカー以外が多いので、どのような特徴をもった話し方をするかを比較できる。実際、日本人が英語を使う場合はネイティブスピーカー以外を相手にすることも多いので、さまざまなバリエーションを聞いて理解できることは大事な能力である。さらに大事なことは、「聞いてもらえる」英語は発音だけの問題ではないという理解だろう。
解説においては「これが世界を動かすリーダーたちだ」といったトーンは注意深く避けられているが、それでもこうしたタイプのスピーカーだけを集めたものは好き嫌いが分かれるかもしれない。
いずれにしても、英語の運用能力を高めたいと考える人には貴重な材料である。今後は、出身国や社会的バックグラウンドもさらに多様化させたものを期待する。

[CD付]ダボス会議発 世界金融トップの英語
未曾有の金融不況について、世界のVIPはどんな発言したのか?本書は共著者に
より、今年2月のダボス会議での金融トップの発言について、単に言葉だけでなく、
その背景までをわかりやすく解説しています。金融に造詣の深い両著者ならではの
経験に基づくコメントも秀逸です。ネイティブスピーカーだけでなく、日本人を含め
た
ノンネイティブの発言も取り上げてありますので、国際舞台で実際に使われる英語
のお手本となります。本書は金融界だけに限らず、ビジネスパーソンが学生にも
適していますが、グローバル対応を目標とする日系金融機関では、本書の役職員
への浸透度を新たな評価尺度として、加えるべきでしょう。

ダボス会議で聞く 世界がわかる英語(CD付)
ダボス会議シリーズは毎回コンセプトが違っていて面白いですが、今回は世界情勢を知るうえで重要な時事問題を理解することに重点が置かれています。特に経済については、現役国際金融マンならではの鋭い視点が随所に出てきますが、一般英語学習者にもわかりやすく丁寧に解説されています。
もちろん、時事英語もしっかり学ぶことができます。キーワードの解説を読んでいくうちに自然に英語の語彙が増えていくのも有難いです。また、スピーカーの顔ぶれも多彩で、世界の英語(World Englishes)の旅が体験できます。
筆者は、物事を先進国のみならず新興国や途上国の目線で考えてみることが必要、と説いていますが、本書についても、上から目線ではなく、英語学習者の立場を十分に意識した作りとなっています。
単なる時事英語学習教材という次元を超え、英語学習法、外国人とのコミュニケーションの心得などについても様々なヒントを与えてくれる好著だと思います。