人にいえない仕事はなぜ儲かるのか? 角川oneテーマ21
本書を読んでみると、地下経済がなぜ儲かるかということが書いてあるわけではなく、サラリーマンにも役立つような節税のやり方、税の仕組み、地下経済の紹介、今後の税のあり方などが書かれています。
なぜ地下経済が儲かるかというと、実態がわからないからである。実態がわからないから適正価格がわからない。だから、結果的に安売り競争になりにくい。こういう側面があるにしろ、税金を適切に払っているかというとそうではないような気がする。彼らのみならず、自営業者などはクロヨンやトウゴウサンといわれているように適切に払ってないような気がする。サラリーマンと違って、税金のごまかしがわからないからなんだろう。本書の最終章で書かれているように、これらを解決するために支出税(所得ー貯蓄に対して課税される)がフェアでいいのではないかということだ。
宝くじやサッカーくじであるtotoには税金がかからないが、クイズの懸賞や万馬券には税金がかかるのでご注意を。
「若者はかわいそう」論のウソ (扶桑社新書)
「若者はかわいそう」論のウソ(特に雇用不安等のデータ部分)を丁寧に暴いている点は、それはそれで重要な指摘だとは思いますし、ビックネームとの対談も数本収録(湯浅誠さんの無敵ディペートぶりには思わず苦笑)するなどボリュームもたっぷりで値段の割にはお得感も充分なのですが、タイトルから多くの読者が期待するであろう「若者はかわいそうではない」と思える事実はこの本のどこを探しても載っていません。
その上、筆者が問題の本丸という3つの地殻変動(為替レートの変化、大学進学率の上昇、出生率の急低下)を突き詰めて考えると、残念ながら「やっぱり今の時代を生きる若者はかわいそうだ」との結論になってしまうのではないでしょうか。
統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか? (光文社新書)
なるほど。最近、なんでこんな数字が出るの?と考えてしまうような経済効果がたくさん出ていると思っていたら、やっぱりそういうことだったのか。
筆者は、いろいろなシンクタンクを渡り歩いて活躍している有名エコノミスト。最近でもいろいろなメディアに顔を出している。
この本では、経済分野・犯罪分野の統計数字について、そのバイアスやクセなどを丁寧に解説している。また、統計やアンケートをもとにシンクタンクが出す経済効果について、それが自分たちの都合のいいようにつくられた数字であること、非現実的な仮定をおいたいい加減な数字であることを痛烈に批判している。
こんないい加減な数字をわざわざ取り上げるマスコミの姿勢にも問題があると思うのだが。