アット・ジャズ・カフェ・ボサ・エディション
ジャケットの素晴らしさについつい内容を検討もせずに買ってしまいましたが、とても柔らかなボサノバがたくさん詰まっていて、本当に良い買い物をしました。40代後半から50代全般の方にも聴いてもらいましたが、彼らが以前フランス映画が流行した時にバックグラウンドでかかっていた曲がたくさん収録されているらしく、とても喜ばれました。そんなことも全然知らずにボサノバを知ったつもりでいたことを、少々恥ずかしく思いました(笑)。今はやっているボサノバのスタンダードがギッシリ詰まったこのオムニバスは広い年齢層で受け入れられていますよ~。
ディス・イズ・ボサノヴァ [Blu-ray]
「・・・あれっ・・・」という冒頭のしばしの無音部分からやがて、そよ風のようなギターの音色が流れてきます。あとは引き潮のように、驚くほど自然にボサ・ノヴァの世界へと導かれて・・・。ナラ・レオン、カルロス・リラ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト・・・・・。これまで何かの機会に一度は聞いたことのある名前と共に素敵な音楽が絶え間なく流れ、往年のミュージシャンたちが当時の思い出を語り、それを裏付けるかのような懐かしい映像がその隙間を埋めていく・・・。あっという間の数時間。まるで日常の表通りからふとしたきっかけで瀟洒な邸宅のパティオに招かれたような時間でした。
ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々 [DVD]
「イパネマの娘」の詩人として知られているヴィニシウスは私にとっては型破りのあこがれの人です。結婚を9回もした人なのですが、この作品は彼の生い立ちから終焉までを彼を知る人のインタヴューも交えて描いた貴重なもので、この作品を見れば彼が本気で正直に人間への愛に生きてきたことが分かります。彼が作詞した作品もかなりの曲数が披露されていて飽きることはありませんでした。彼は結構ジャズが好きでよくニューオーリンズへ行っていたことなど新事実満載です。ただ不思議なのは彼の葬式のシーンが見当たらないことです。伝説ともいえる、彼と関係のあった美しき女性陣が大挙して葬式に参加したときのフィルムはぜひ観たかったです。ラストのクレジット中に出てくる「オチ」はかなり笑わせてくれ、彼の人間性を感じます。
映画中の「フェリシダージ」や「ビリンバウ」の楽曲シーンには思わず興奮させられました。
O Amor O Sorriso E a Flor
ジョアンの歌声と爪弾くギターを、そっと包み込むような伴奏は、確かに北米に渡ることでアメリカナイズされたボサノヴァのそれとは異なるという事実は、例えばアメリカでも多くカバーされた「ワンノート・サンバ」や「コルコヴァード」などからも充分に肯かされる。ジョアンの手になるプロトタイプのボサは、単純明快で軽やかであり、土に根付いた民族の歌だ。
それを基としたセルジオ・メンデスやワルター・ワンダレイらによるカバー曲がジョアンの元歌と一線を画すのは、明らかに良し悪しを抜きにした都会感覚の有無である。シルヴィア・テレスの歌声はジョアンのそれと違うカテゴリーに属するものだ。やはり、ボサノヴァ一つをとっても、ジョアンは唯一にして無二である。
本来のアルバム「愛と微笑みと花」に含まれたジョアン自身の歌唱である12曲目までと、それ以後のボーナス・トラックを聴いた上での比較は、こうして答えが明確に判っていても面白い。寡作なジョアンを、同時代のミュージシャンたちがどう受けとめ、自らの糧としたのか。それを見極めるためのテキストと思えば、比較曲は決してアルバムの値を吊り上げるための飾りとは受けとめられまい。
本来のアルバムに付属した夾雑物によって、むしろ付加価値が増している面白さは、「想いあふれて」を凌駕しているとさえ言えるだろう。ジョアン・ファンには無視できない贈り物だ。
頂上体験~曇りなき世界~SA-CD SHM仕様~聴き比べサンプラー
昨日このディスクが届きました。1枚目がSACD-SHM仕様(2チャンネル)、2枚目がSACD/CDのハイブリット盤です。まず、2枚目のSACDを視聴。やはり鮮明度、音域ともに納得。続いて1枚目のSACD-SHMを視聴。えー、こんなに違うの?続いて、2枚目のCDを聞いたら、とても聞くに堪えないものでした。説明通りハイブリット盤の音質の不利な事と、SACD-SHM盤が最上な事が認識され、2枚目は1回のみの視聴で2度と聞く事の無い盤となりました。また、選曲も絶妙。仕様の違いが明確な曲ばかりです。10ccやjazzの「コルコヴァード」、クラシックの「バレエ≪春の祭典≫から いけにえへの賛美〜」などを聞くと、必ずSACD-SHMに買い代えを考えさせられ、何時の間にかアマゾンより検索、ウオッチリストに入れている自分に驚きました。また、既に販売完了ですが、スティーリー・ダンのAjaのSACD-SHM盤も欲しいですし、私が多く所有するハイブリット盤の買い代えまで視野に入れなければなりません。この調子でキング・クリムゾンまで発売されたら〜。考えるだけで、恐ろしいです。SACDデッキをお持ちで、部屋が広く、資産がそれなりにある方が覚悟して購入下さい。それがこのディスクの本来の企画です。