夜がはじまるとき (文春文庫)
「彼らが残したもの」
何処かで読んだ話だと思ったら、これはハヤカワの「十の罪罪」に
ディーヴァの短編とともにメインとして収録されていたものでした。
解説に<本書の白眉>と言うなら、記載しておいて欲しかった。ちょと損した気分。
「ウィラ」
雰囲気のある幽霊譚。日常から非日常への暗転というお得意の展開のサイコパス話
「ジンジャーブレッド」も良かったが、これは長編でじっくり書けばいいじゃないか、
ということで寒々とした感じの「ウィラ」にゾックとした。
ただよう○○達ということでは、映画<パッセンジャー>が本編に非常に似かよって
おり、本編が気に入った人は非常に楽しめると思います。
B06 地球の歩き方 ニューヨーク 2010~2011
ニューヨーク版は何冊買ったことか・・・。
地図が切り離しできるようになっていたのは感動。もっと早くこうするべきだったのでは・・・?
内容は特別変化なさそうですが、ここ2〜3年くらいは博物館ページ、レストランページ、エンタメページなどの順番が入れ替わっていて見やすくなっている気はしています。
ニューヨークおしゃべりノート―地球の歩き方編集女子が見つけた、NY最強の楽しみ方教えます (地球の歩き方BOOKS)
旅慣れた女友達に案内してもらいながらNYを旅している気になれる、楽しいエッ セイでした。 店員に気兼ねせず高級コスメを思う存分試せる場所(意外な場所でした!)、時 差ぼけで朝早く起きちゃった時間の有効活用法、高級レストランをオトクに利用 する方法、コスメサンプルをスマートにおねだりする方法、人には聞けないトイ レの謎、女子友達にウケるお土産などなど、「へえ〜。今度ためしてみよっと」 と思ういろんな情報が詰まってました。 NYほどの場所となると、在住の人によるディープ案内や、ユニークな視点の個人 エッセイなどもたくさん出ていると思うのですが、この本は、あくまで「旅す る」という視点を崩していないのがイイと思いました。だって、住むのと旅する のじゃ、違いますもんね。旅では、数日の間にぎゅっといろんなことを詰め込ん で、アレもコレも体験したい! という欲望が高まるから。そんな煩悩レベルの 高い女子(私のことか?)にピッタリです。「旅する」「NYをガイドする」という立ち位置がきっちりありつつ、著者の個人 的体験や視点もいろいろ出てきて、アハハと笑える、楽しくてためになる本で す。 イラストも、とてもイイ! エッセイ挿絵は、さらっとしたタッチで、お土産や 食材なんかは、リアルな描写で描かれています。このリアル描写、細部がよくわかるので、写真よりもイイですね。 デザインもポップでかわいらしいです。青空を思わせるきれいな色の本です。
ラブ・チャップリン
10年前、高校の授業で観た『チャップリンのモダン・タイムス』(1936)。終盤で、チャップリン自身が「放浪紳士チャーリー」として最初で最後の歌声を無国籍語で聴かせた唄「ティティナ」にびっくり仰天。以来、収録したCDはないものかと探し続けて10年目。ようやく手に入りました。
チャップリン自身の歌声は、「ティティナ」以外にも、名作『ライムライト』(1952)からの「調教師」「スプリング・ソング」「いわしの唄」、『ニューヨークの王様』(1954)で一瞬流れる「百万ドル」、そしてサイレント映画時代末期の『サーカス』(1928)をサウンド版として再公開するにあたり、80歳を過ぎたチャップリンが朗々と歌う「スウィング・ハイ・リトルガール」…と、大変貴重なものばかり。
そして、チャップリンが作曲した曲!(未公開も含む)を、優しく情感豊かに歌い上げているザ・フューリーズには、ただただ脱帽。彼らの雰囲気はチャップリンの曲にぴったりです。
ビデオで鑑賞している時にしか聴けなかった名曲が、あなたのCDプレイヤーから改めて歌いかけてきますよ。