心中歌
カゲロウの代表曲を集めた二枚組みアルバムです。
私は最近このバンドに触れ,素晴らしさを知ったばっかりなので,このアルバムは購入の予定です。
今までいろいろなバンドの解散を見てきましたが,さしてファンでもないはずの自分が何故か凄く悲しい感情を抱いており,どこかの雑誌で「カゲロウ,ここに眠る」とかいてあるものを見て泣いてしまいました。
それほどまでに,このバンドは将来性のあるバンドであり,解散するのは惜しすぎるバンドでした。
メジャーデビューもしていないのだから解散すればその存在はすぐに忘れられていく。
それはあまりに悲しいことです。このアルバムに触れかげろうとの楽曲の素晴らしさを再確認しましょう。
・・で聴きました
素晴らしいの一言。名曲ぞろいです。特に縄がお勧め。
蜉蝣入門版として最適です。
変身 (講談社文庫)
今まで自分が無意識の内に別の人格に変貌する話はあったかと思うが、この作品のように意識がはっきりとした状態で他人の人格にゆっくり移行していく話は無かったのでは無いだろうか。生体への脳移植は、実例(成功例?)が無い中空想の域を脱しないとは思うが、生々しい描写により現実に起こっているような錯覚に陥ってしまった。最愛の人が愛せない、好きだった絵が書けない、他人を見下す(殺意を抱く)など、考えただけでも恐ろしく、脳の神秘性に不気味さすら感じてしまったのは私だけでは無いかと思う。人間の脳に興味がある方は是非読んで見て欲しい作品である。一つ理解できないのは、橘直子が身の危険を感じながらも、身を呈しても調査し続けたのは脳医学探求の為なのか別の理由もあるのかという事である。それだけ、脳は学者に取っても神秘的な存在なのだろう。
十四時過ぎのカゲロウ
こんな曲をつくれるのは、ホントに日本ではキリンジしかいない・・・。
久々に音楽で鳥肌がたちました。。。
泰之(弟)のわけだけど、ヤス曲のいいところを出し切ったという感。
めちゃーくちゃ格好いい!!
ひとくせある歌詞もいいし。
最近のキリンジのシングルに???と思っていたあなたも昇天できます。
カップリングもかっこいいし、夏のヘビーローテーション決定!
クリスマス・ソングス
日本人の歌う英語には、たいていがっかりさせられるので、
これを聴いてちょっとびっくりしました。
こんなにさりげなく、心地よく、耳に入ってくる歌があったことに。
初めから終わりまで、ささやくような声と、
スローで控えめなピアノ、ベース、パーカッション、ギターによる編曲が、
お洒落でとても落ち着きます。
最後の、全て葵さんの声のア・カペラによる Silent Night は絶品でした。
ア・カペラの曲がもっと入っていれば、よりクリスマスらしかったと、
ちょっとだけ残念でしたけれど、
仕事をしながら毎日、くり返し聴いています。
マボロシの鳥
悪く言えば説教臭く、良く言えば強い信念なり希望を感じる。共感するところも拒絶するところもあり、おもしろい。おもしろいのだけど・・・
作者が言いたいことはガンガン伝わってくる。ただ、そのためにただの悪者が出てくるのは、物語として楽しみたい身としては辟易する(「奇跡の雪」「魔女」他。人間そんなに間抜けじゃないだろう)。
また、強調したい箇所を改行で囲ってみたり、やたら改行したりと、「ここ見て!ここしっかり読んで!」と言わんばかりの構成は、実用書ならともかく、小説でやられては読んでいて煩わしい。
こうした露骨な誘導のためか、さまざまな世界を覗いた著者がそれぞれの世界に批評し、それを読者に論っているように感じてしまう。こうなんです。こうなんです。こうなんです、と。もっともっと想像の翼を広げたいのに、それができない。それこそ、鳥かごに閉じ込められてしまったかのように。
作者が書く評論はきっとおもしろいのだろう、実際に読んでみたいとも思った。しかし、小説として楽しむことはできなかった。もっとも、作者が戦ってきた舞台を考えればそうなってしまうのも当たり前なのかもしれない。今後作者の書く小説がどのように変化してゆくのか、楽しみ。