The Criterion Collection: Complete Monterey Pop Festival [DVD] [Import]
1枚目は、オフィシャルに公開された編集版を丁寧にリマスターしています。亡きブライアン・ジョーンズや当時人気者だったモンキーズのミッキーが、最後の「ラヴィ・シャンカール」の演奏終了後、観客に混じって、拍手を送るシーンなど、ノンクレジットなので、当時のミュージックシーンに造詣が深い程、一瞬のショットに登場するアーチストを見つける楽しみがあります。2枚目は、当時LPに片面ずつ収録された事のある、ジミ・ヘンドリックスとオーティス・レディングの映像です。オーティスは、ステージというよりも、ファンに囲まれてプレイしているので、親近感を覚えます。この後、飛行機事故で死亡後、大ブレークしたのは、皮肉ですが、テンションの高いプレイを見る事が出来ます。問題は3枚目の未発表映像です。ジェファーソン・エアプレインの「Somebody to Love」は、当時のサイケデリックを象徴する画面です。驚いたのは、バッファロー・スプリングフィールドを紹介するMCにモンキーズのピーターが一瞬登場します。勿論、スティブン・スティルスの大親友だからですが、ファンにとっては、このような一瞬のカットで驚喜してしまいます。3枚目が収録時間が長いのですが、他のレビュアーが指摘しているように、続編として、各アーチストのステージ全編収録したものが欲しくなるという点では、罪な映像です。この内容でこの価格なら、文句ありません。ブックレットも充実し、大推薦ものです。
この後の「ウッドストック」の成功と「ワイト島」での崩壊につながる原点として、観客はマナーも良く、3~4年後の「ワイト島」のわがままな観客との落差にちょっと驚きました。このDVDと共に、「ワイト島」までの映像も見ると面白さが増します。「フリー」という意味を当時の若者達が履き違えている事が良く判ります。
Very Best of
スタックスレーベルのハウスバンド、ブッカーT&MGズの米ライノ社編集のベストCDです。オーティスをはじめとするさまざまなソウルアーティストのバックバンドを務め、自らも最高のオルガングルーヴを奏でる彼らの代表曲がしっかり選曲されています。ボーカルなしのインストバンドなのでどうしても単調になりがちですが、このオルガンを中心とした彼らのグルーヴは最高です。彼らの音楽性はオルガンジャズとの垣根が低く、というかほとんど垣根なしなので、レアグルーヴ等に興味のある方にも是非。1CDなのでもう少しボリュームが欲しくなりますが、基本はしっかり押さえてあり、さすがライノの仕事です。初めて彼らを聴いてみるという方には安心しておすすめ出来ます。
Soul Dressing
彼らの数ある作品の中で、実は最も気合の入った一枚です。理由はほとんどのナンバーが彼らのオリジナル作品で固められていることです。カヴァー率の高い彼らのアルバムの中でこれだけだと思います。まだベースはドナルドダックダンではなく、ルイススタインバーグが担当しています。タイトル曲の渋カッコよさ、グリーンオニオンをアップテンポにしたような4、スモールフェイシズも「フロムザビギニング」でカヴァーした11など聴きどころ多いです。ブッカーTの顔ジャケが火星人みたいで怖いなどと言わず聴いてみてください。モッズなら必聴必携盤、これを知らないともぐりですよ!!