世にも奇妙な物語 映画の特別編〈特別版〉 [DVD]
雪山は単なるベタな都市伝説的な怖い話を
より臨場感あふれるリアルな惨劇に仕上げている。
一見頼りになる人間までもが
狂ってしまうという設定は秀逸だった。
忠臣蔵はコメディ系だけど、
他のチェスや結婚よりは中々深い話だと思う。
国語入試問題必勝法 (講談社文庫)
受験生の頃読んだとき、実は「国語入試問題必勝法」は半分本気にしていました。かなり笑えてなるほどと思わせる、面白い作品でした。
でも、表題作以上に、印象に残っているのは、「靄の中の終章」です。
老人性痴呆症が進行する様子を主人公の目線で描いていて、初めて読んだとき、とても衝撃的でした。本人以外の目線で描いたものは読んだことはあっても、本人の立場で描いたものを読んだのは、この作品が初めてでした。
身もフタもない日本文学史 (PHP新書)
一読するだけで、日本文学史がじつにおもしろく理解できる。清水義範さんは、やさしくわかりやすい文章を書く達人といっていいだろう(難しく書こうと思えば難しく書け、易しく書こうと思えば易しく書ける、そんな人はあまり多くないが、まさしく清水氏はその1人だ)。
本書は、古典から現代文学までをたどっているのだが、なかなか古典に関心をもてず、少しも理解していなかった者(私)でも、「なぜ『源氏物語』が偉大な文学なのか」がわかる。本書はそこからスタートして現代までの流れを解説する。
『源氏物語』『枕草子』『方丈記』『徒然草』などについて、本来、日本人なら(読んでいなくても)教養として知っておくべきことを易しく教えてくれる。明治以降は、学校の教科書に出てくる作家をとりあげているのが、それに対する清水氏なりの評価(とらえ方)が出ている点がまた面白い。
「漱石はたった一人で日本の現代文学の土台を完成させてしまった」「鴎外は知的すぎてあまり面白くなく、読む楽しみがどうも少ない」「芥川の小説は知性で書かれているが故に、時が流れても古びるということがない」「自然主義文学がいびつな文学観をつくってしまった」「白樺派は名門校に通うお坊っちゃまたちの、変な文学」「二人(太宰と三島)の共通性は、徹底的に自分にしか興味のないところだ」などなど。
高校生が日本文学史を学ぶのなら、ぜひ副読本として本書を使うことをすすめる。『身もフタもない日本文学史』というタイトルで手に取ることをためらう人もいるかもしれない。それが残念だ。『おもしろくっても日本文学史』あるいは『日本文学史がおもしろいほどわかる本』、そんな内容である。