CDB133 CDBOOK プレイ・ザ・ジャズ・トランペット 基礎からはじめる本格アドリブマスター
これはジャズの教則本のようではあるが,トランペットの構造からマウスピースの各部名称をはじめ,基礎的なことから応用編まで幅広いテーマがあり,しかも自身の録音によるCDがついている。ジャズというとフィーリングや拍の感じ方等が重要なポイントになってくるが,本作はこのCDのおかげでそういったことが非常にわかりやすくなっている。
作品としては大分古くはなっているが,今見ても簡潔かつわかりやすく,ジャズをはじめるにはこの本はかなりの手助けになるだろう。わかりやすいフレージングが知らぬ間に身について実践に役立つ貴重な教材だと思う。
楽に吹ける!アルト・サックス上達のコツ タンギング・アンブシュア……つまずきのポイントを徹底攻略
最近増えているサックス教則本。そのなかでも、初心者にとって実は難しいタンギングなど、楽器操作の基本を徹底的に練習するためのもの。
練習曲も少ないし、地味な装丁で、手を伸ばしにくいかもしれないが、サックスをしっかり鳴らして、音をきれいに鳴らしたいのであれば、この本で説かれている練習は実は一番効果があると思う。
添付のCDのマイナスワン、実は南博氏がエレピを弾いているなど、隠れた贅沢なものだ。
初心者から抜け出したいけど、曲を練習しているだけではいまいちという人に、最適な指南書だ。
Jazz Trombone
正直言って、はじめはフォンタナが出ているというので買いました。しかし、実際聞いてみると、共演者のALLEN HERMANNもフォンタナに全く負けておらず、場合によってはテクニックや歌心の面でもフォンタナよりも上ではないかと思われる場面が多々ありました。フォンタナはドゥードゥルタンギングを駆使した演奏で有名ですが、HERMANNもドゥードゥルタンギングの使い手としてはトップレベルといっていいでしょう。トロンボーンのCDは、トロンボーン吹きにはそこそこ楽しめる(勉強になるが)が、それ以外の音楽ファンにとっては、音楽性に乏しいと感じるものも多々あるので、買うときは多少覚悟をしていたのですが、このCDに関しては安心して誰にでも薦められます。ちなみに、HERMANNの演奏スタイルはコンラッドハーウィグのようなアウトフレーズを多用するような難しいスタイルではなく、ストレートなハードバップスタイルです。聞いた感じでは、フォンタナよりも、ジャズ研の学生がほくそえむような、いわゆる「お勉強フレーズ」が多いような気がします。おそらく、過去にデキシー/スウィングスタイルのCDが多い事もその一因だと思われます。とはいえ、このCDでの演奏内容は完全なハードバップで、時にはフォンタナと聞き分けるのが難しい場面も多々あります。また、ちゃんと分析したわけではありませんが、フォンタナやアンディマーチンのような「手癖系フレーズ」が連発する頻度は比較的少なく、歌うためのボキャブラリーの引き出しの多いプレーヤーの様にも感じました。トロンボーン吹きはもちろん、それ以外のバップファンにも薦められる、数少ないトロンボーンもののCDです。難解なハーモニクスを多用したスタイルの音楽に聞き疲れ、ストレートなハードバップに浸りたい時にお勧めな一枚です。