理由 特別版 [DVD]
インタビュー形式、再現ドラマ形式といった具合で107名もの登場人物が、高層マンションで起こった家族4人殺害事件についての証言をしていきながら真相が明らかになっていく社会派ミステリー。
107名もいると、さすがに演技力のバラツキが顕著で、ドキュメンタリー風を装いながらも中途半端なわざとらしい演出があり、なんだか見てるこちらが恥ずかしくなることも。小説を忠実に再現するというスタンスの演出方法は、確かに斬新ではありますが、成功しているかどうかは疑問です。問題のエンディングの歌ですが、、、あれは製作スタッフ、誰も反対しなかったんでしょうか?酷すぎて逆に頭に残ります。
それでも、要所で緊張感あふれるシーンを盛り込み、複雑に入り組んだストーリーを章立ててテンポ良く見せてくれるおかげで、最後まで集中して観れました。結局、結論としては、「宮部みゆきというのは、本当に面白い話を創造する人だなぁ」と言うこと。映画としての評価は難しいですが、宮部みゆきの世界に触れるきっかけとしては良いのではないでしょうか。
(個人的に印象的だった出演者)
中江有里を久しぶりに見ました。あと、宮崎あおいは、かわいいのぉ…。岸辺一徳は犯人でもなんでもないのにやたら淡々としてて不気味でした。
リアル・シンデレラ
そういえば直木賞候補になったんだよなあ、きっと取るよなって思ってた。
でも取らなかったのって、なぜ?
文芸論はよくわからないけれど、こんなに地味だけど、でも人の幸せの本質をこんなにするっと教えてくれた本ってあったっけ?
今、自分が自分がって言う人ばかりで、競争ばっかりで、そんなときに「人の幸せを幸せと感じられること」について考えることってどんなにか大切なことだと思う。
内容は多くの方が書いているような本当に地味な女性の話。
それが、泉ちゃんのことを思い出すと涙が出ちゃったり、彼女と小口とのデートが本当に理想の幸せなデートだなって思えるくらい、なんだか私はのめりこんでしまった。
一人でも多くの人に読んで欲しい。
そうしたら、悲しい事件がもっともっと減ると真剣に思う。
なんで取らなかったのかなとおもって直木賞の選評を立ち読みしたら、浅田次郎と宮部みゆきが絶賛していて、特に宮部みゆきが「姫野さん、この作品を書いてくれてありがとう」って書いていた。
私もそう思う。姫野さん、ありがとう。
選評読むと「なるほどー、この人が反対したんだー」って思いますよ(笑)。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
私は超偏見で、SFは青背上等派、あまり国内物は読まなかったのです。
この作品自体には、多数のレビューがありますので、
それを参考にしてほしい。
確かに、「虐殺器官」のみをみてしまうと、アラもあるのだが、
(直接的な関係性は書かれていないが)続編となる「ハーモニー」を
読む為にも、是非読んでほしい。
私はこの二作を読んで、それこそ驚愕した。
日本にもこれほどの作家がうまれたことを。
そしてすでにその作家が失われてしまったことを。
ブレイブ ストーリー [DVD]
ストーリーの内容、絵、共に美しいと思います。
とても純粋な物語で、この映画が伝えたい事等も良く分かる。
キャラクターもユニークで様々な動物が出てきて面白い。
ただ、これだけ良い物がストーリーの展開が早いが為に
内容がグダグダになっている。
平たく悪い所を言うと
主人公側・ミツル側の場面転換が悪い。
忘れた頃に主人公側の話が出てきたり、いきなりミツル側の話になったり・・・と。
この原作は分厚い本。
全てを2時間に凝縮しようと試みたのか、初めて見る人には「?」な場面も。
一番の欠点、物語の展開が早い原因もこれでしょうか。
(素直にカットしても良いのではないか)
物語、絵、声優も豪華キャストなのに・・・
欠点があるが為に映画を駄目にしてしまうのは非常に残念。