歌舞伎・黒御簾音楽 精選110
You can learn which song are used in which scene of the which Kabuki play. For example, you can appreciate that in "Tsukuda Aikata" big drum changes from "Mizu Oto (Water Soundo)" to "Nami Oto (Wave Sound" just because the boat is getting near the sea around Eitai bridge. Wow, truely amazing sensitivity.
歌舞伎名作撰 白浪五人男 浜松屋から滑川土橋の場まで [DVD]
歌舞伎に興味があっても見たことない人、多いのでは?
そんなあなたにおすすめがこの舞台。
なにしろ、いかにも歌舞伎って感じで、分かりやすくかつかっこいい。
歌舞伎は高いとおもっているかた、とりあえずこれを買って、入門編のかわりにしてはいかが。
大詰も派手で面白いので本当は、通し狂言でみたかったですね。
とはいえ、まずはこれぎり。
欲望という名の女優 太地喜和子
夢のまた夢 ナニワのタニマチ
「北島康介」プロジェクト
以上の二冊から興味のラインがつながりこの本を手にとった。
太地喜和子という名前を正直言って知らなかったのだが、とても面白かった。
著者である長田渚左さんも桐朋学園大学の演劇学科出身で、四年間のハードなトレーニングを積んだにも関わらず、女優の夢を断念する。
長田さんは美人で舞台で映える風貌をしていると思うのだが、それでも客観的に「あ、このひとには勝てない」とあっさり悟れるのも才能だよなあと。引き際も素晴らしい。
作家の人が「あなた、女優にならなくて、本当によかったわねえ・・・」と言っていたのもよくわかる気がする。
競争が熾烈なレッドオーシャンだからなあ。
太地さんもすごい人ですね。
生まれながらの演技者だよなと。
毎回出生の話しが違う。俳優は何かを背負ってなければいけないということで、普通の家庭に生まれたということは表現者としてマイナスだと思ったのだろう。
ロックにも似てますね。コンプレックスが無いのがコンプレックスだという言葉を思い出した。
天性の演技者も年齢には勝てない。
演技は体を使うものだから、そういう意味ではスポーツと同じですね。
長田さんの本業に収斂していくのも面白いなあと思った。
歌舞伎界の家系・役者 梨園のひみつ (Book of dreams)
歌舞伎役者の系譜は襲名披露の時、どういう順番に「出世魚」するんだ?といまいち飲み込めていなかったのですが、この本にはそういった「家」の系図がわかりやすく書かれていてよいです。
現在活躍している、若手と有名な役者さんについてプロフィール得意な演目など紹介されています。コンパクトにまとめられていて初心者は重宝するでしょう。
ただ残念なのは、あきらかに女性向けの本の作り。表紙紙が桜色では男性は手を出しづらいのでは?内容も女性を意識して書かれている傾向にあります。
ただ、歌舞伎座(私はいつも一幕見)のお客さんを見ると圧倒的にマダムが多いんですね。「成駒屋!」と声をかける芸に厳しいおじさん達が3階席や一幕見には多いですけれど。
男性のファン層をつくるような、こういったてごろな解説本があるといいですね。だから星4つ。
とりあえず、女の子がこの本をもって、彼氏をさそってデートなどいかがでしょうか。
明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎
五代目尾上菊五郎が明治時代に初演してほとんど再演のなかった(しようのなかった)演目に関する本です。五代目菊五郎とその共演者(@市村座)にフォーカスしているため、この本を読んだからといって歌舞伎がわかりやすくなるわけでもありません。
ニッチな演劇史どころか、誰も虫干しさえしてこなかった史実を多様な資料からまとめた力作であることには敬意を表したいと思います。また、小説にできるようなアイディアがこれだけ詰まっている本も珍しいと思えるのですが、ノンフィクションならでは良さと、ノンフィクションならではの限界が表裏一体のもどかしさを感じました。
章によっては文章としての流れが良く、わかりやすい一方で、章によっては雑多な事実や逸話の羅列になっていたりで、編集の弱さが難。これだけの分量でも、おそらく著者が調べ上げた史実を厳選しているのでしょうが、史実を述べるにあたって、読者がこれは役者の視点、見物の視点、社会的な事象など「文法的」に混乱しないようにすべきなのだが、時代背景と芝居の国とを行き来せずにはいられない内容のため、乗り物酔いに似た気持ちになり、芝居好きだからこの本を手に取ったのに、芝居の部分に集中させてもらえかったもどかしさも感じます。
例えば、「高橋お伝」に関する記述で、著者は死後、解剖されて標本として保存されたのではないかというお伝の体の一部について必要以上に繰り返していますが、そういった粘着性を適度にほぐして、論文ではない一般向けの書籍としてまとめるのが出版社なり担当編集者の仕事だと思うのですが、段落ごとに主語/視点がめまぐるしく変化しているページの多いこと。じっくり芝居の内容について「見せてくれる」前半に比べ、引用の羅列が激しい後半に違和感を覚えた。
五代目菊五郎が観客を悦ばせたように、著者も読者のことを少し考えるべき。着眼点や充実した資料からの引用、写真の多用など、独自性は賞賛に価しますが、プレゼンテーションで損しているのが惜しい。