インストール コレクターズ・エディション (2枚組) [DVD]
上戸さんと神木龍之介さん2人のシーンがメインですが演技力が圧巻です。上戸さんは肌を見せなくても、唇や目線や声や空気で艶やかなエロティックさを表現していて素晴らしいです。神木さんは子役にありがちな丸っこい印象ではなく、端正かつシャープな顔立ちと利発そのものといった存在感が最高です。
インストール スタンダード・エディション [DVD]
原作は知らないし、役者にも特にこれといった思い入れもない状態で見ました。
予想以上に役者の演技も上手く、節々の台詞回しや演出によって主人公たちの感情が上手く出せているとおもいます。
正直、この手の青春映画は10年20年たつと、時代のギャップが激しくて見れたものではないですが、この作品は娯楽性も高いので、かなり後に見ても意外に受け入れられる作品なのかもしれません。
不安定な青春期の気持ちの動きも良く現されていたとおもいます。
ただ、やはりヒロイン役の性格はぶっ飛びすぎている感を受けますが、まぁそれは映画なのでしかたかないか、とも思いますが・・・・・・
コメディーとしてや、青春映画として、という見方をすればそれほど良い出来だとは思えませんが、双方併せ持つ娯楽映画としては、かなりデキのいい方ではないでしょうか。
多分、20年後見てもそれなりに見れる映画のように思えます。
蹴りたい背中 (河出文庫)
ブームになっている時は目もくれなかったけど、文庫化を機に読んでみた。
この本は評価が二分しているようですが、確かにこの文章、世界観、一見稚拙に感じると思う。
でもこれって実は計算されたリアルさなんです。大体高校一年生の女の子の自意識ってこんなもんでしょ。"私だけは他の子と違うの、私はそんなに安っぽくないの"的思い込みとかね。自分中心で見る世界も勿論狭いし、自分の中に沸き上がる感情をうまく表現する事もできやしない。だからこそ気になる男の子の名前を「蜷川」じゃなく、敢えて「にな川」って、平仮名で書いてあるんだし、リアル女子高生の一人称なんだから、語彙も少なくて当たり前。
しかしながら表現力が上手で、大人になると忘れがちな、歯痒くて、なんだかわかんない、ちくちくするような気持ちを「蹴りたい」と表現してしまうとことか、巧い。
主人公の一人称で進む話なので、いかにもな若くて狭い世界観には共感するのは難しいし、いちいち共感しようとして読んでたらかなりしんどいです。
でも、この「蹴りたい気持ち」にちょっと萌えました(笑)。少女漫画みたいな甘酸っぱさがあります(笑)懐かしさを感じる一冊。でも、このテクって一発しか使えないから、作者がこれからこの表現力をどう昇華させていくのかが見所ですね。ライトノベル的なノリで終わってしまうのか否か―?
勝手にふるえてろ
この小説家さんは色々とたたかれますけど、それは注目度の割りに発表した作品が少なすぎることに原因があると思います。
インストールをデビューとして、本として発売されたのが九年でたったの四冊。
これでは各作品の批判の濃度が濃くなってしまうのは仕方が無い。
だから作家に人生経験が少ないからだだの、全部自分の経験の切り売りじゃないかなど勘ぐってしまう。
例えば、ジャンルは違いますが東野圭吾さんや宮部みゆきさんの作品を呼んで、これは彼らの人生経験の一部だとは思わないでしょう。彼らの膨大な作品の全てが、彼らのリアルから書き上げられたはずがないのは誰でもわかる。だけどその作品は僕らにリアルを与えてくれる。
だから、もっと書けばよいと思います。今回もなぜ文章を芥川賞時代に戻したのか疑問です。この文章では書ける作品に限りがあると自分でわかってると思います。
とここまでは擁護です。
しかし、この小説家さんの場合は、自分の容姿と作品の主人公を重ね合わせて読んでもらうことを計算している節がある。
蹴りたい背中のときから少し感じていましたが、今回はそれが大きくなってしまい、僕は最後まで読んで疲れ果てました。
商業的な計算を強く感じる作品だと思いました。現実でも私はこういう人間なんだよ。と思わせようとする感じがしました。
けど文章のリズム感などは独特なものがあり内容に共感でき、彼女の独特の文章が好きなら楽しめるとは思います。
ファンがいるうちにもっと色々と挑戦したほうが良いと思います。前作は評価してます。