バンコ・ライヴ1980 [DVD]
イタリアを代表するプログレバンドBANCOの80年のライブ。80年という、バンコがポップ化しプログレから離れつつあった微妙な時期なのが残念。ライブアルバム「CAPOLINEA」を映像付きで見てる感じ。大ファンなので、動く彼らを見られるだけで嬉しいが、「よりによってどうしてこの年代なの?どうせなら、もっと他の年のを見たかった」と思わずにはいられない。パーカッション奏者をゲストに迎え、ファンキーでディスコティックな演奏を展開。前座だろうか?サーカスらしきものがバンコの演奏の前にあるのだが、誰も興味がないであろうそのサーカスの映像をやたらとプレイバックしてバンコの演奏に重ねるという変な演出が多々ある。意図がわからない。
「DI TERRA」は原曲がオーケストラとの競演なので、その分キーボードが頑張ったり、ロドルフォがトランペットを吹きカバー。最後のジャンニ・ノチェンツィのピアノソロがカッコよすぎる!こんなイケメンが、こんな美しく感動的なピアノを弾くなんて…惚れてしまいます!「GROFANO ROSSO」はキーボードやギターの見せ場が増える。「E MI VIENE DA PENSARE」は美しい歌声が胸を揺さぶる。この曲だけなぜかツインキーボードが交代し、兄がピアノ、弟がシンセ。ロドルフォはギターを置いてホルンを吹く。「RIP」はカポリネアと同じ、後半の叙情部をカットしたポップなアレンジが残念だが、それでもやはり名曲。「INTERNO CITTA」はダンサーのパファーマンスが映り、演奏はほとんど映らない。最後はドラムソロに。「CAPOLINEA」はメンバー紹介し、各人がソロを展開。「IL RAGNO」はノリノリだが、少しジャコモの歌が調子悪そう。「NON MI ROMPETE」はアコギの早弾きが熱い。「CIRCOBANDA」は客席にサーカスの人たちが高下駄で登場、そっちばかり映される。
ジャーマニー 77 [DVD]
題名どおりですが、1977年のドイツでのライブです。曲は「Fish Rising」、「L」からのものが中心で、ミケット・ジラウディの顔も見えます。
他にも1979年のイギリスでのライブDVDが発売されているようですが、私は、Lunar Musick Suiteが入っているので、こちらを買いました。
曲は以下のとおりです。ボーナスとして最近のインタビューが付いてます。メンバーの力量に不満は残るものの、動くヒレッジくんが見られる時代がくるとは、全く考えてなかったということで満点です。
1.Salmon Song
2.Hurdy Gurdy Glissando
3.Hurdy Gurdy Man
4.Solar Musick Suite
5.Lunar Musick Suite
6.Meditation of the Dragon
7.It's All Too Much
8.Aftaglid
9.Electrick Gypsies
10.Not Fade Away
Phoenix
08年作。元カーン等に在籍したカンタベリー・ロック有数のギタリストであるスティーヴ・ヒレッジがやっているユニットであり、優れた作品を続々と発表し続けているが、正直なところここまで長きに渡って続くとは思っていなかった。本作は手塚治虫の娘のるみ子さんが、英語版の『火の鳥』をヒレッジに手渡したことによって製作が進んだ作品とのことだが、正直なところそんなことはどうでも良い。ゴング時代の兄貴分であるデヴィッド・アレンの参加曲があることも興味深いが、それよりもヒレッジのギターの充実振りが嬉しい。一曲目からして素晴しいギター・プレイだと思う。
システム7は古典的なアンビエント・ハウスを結成当時からやり続けているグループであり、実際問題としてはちょっと古臭い。しかしながら頑固一徹にその音楽性を貫く姿勢は見習うべきものであり、ここまで続くのもクオリティの高さ故。またカンタベリー・ミュージックの枝葉の一つとしても重要であり、彼のギターはどこでどう鳴ってもカーンに戻っていく気がする。ゴング以来のスペーシーな音空間に酔いしれるのみ。