エビータ―写真が語るその生涯
自分はエバ・ペロンに関心も持ち、本を読めば読むほど、彼女の実際の写真が見たくなりました。ということで手に取ったのが本書。期待を裏切らない珍しい写真でいっぱいです。エバはきれいだったけれど、ハリウッド女優で成功するまでの美貌ではなかったようです。夫のペロン大統領もなかなか男前でした。写真集ですが、文章もとても詳細で楽しめます。
エビータ (新潮文庫)
1919年に私生児として生まれたエビータは、女優となりアルゼンチンの軍事政権での実力者だったフワン・ドミンゴ・ペロン大佐の情婦となる。第二次世界大戦が終結を迎え、ナチを支持していたアルゼンチンは外部からの孤立と内部の民主化への動きによって混乱する。そんな中副大統領であったペロンは解任に追い込まれるが、軍部の若手や民衆を味方につけて彼を大統領にまでさせたのは妻となったエビータだった。それから労働者階級を味方につけ、独裁政権をつくりあげたペロン夫妻だが、ファーストレディのエビータは33才で病死する。短く激しい女性の人生を客観的に描ききった著作だ。
自らの才能でのしあがった女性のストーリーは、野望と不屈の精神力もさることながらアルゼンチンだからこそ可能だった話だろう。まあ日本の政治とは比べ物にならないのは確か。これが実話でありしかもほんの何十年しかたっていないことが衝撃だった。打算ももちろんあったと思うけれど、エビータのペロンへの想いはどんなものなんだろう。彼女が本当にペロンを崇拝していたからこそ、周囲にも影響を与えることができたのだろうか。それとも彼女は自分自身に酔っていたのだろうか。そしてもし彼女がペロンを超えたいと思った時、歴史はどう動いたのだろうか。
エビータ!―その華麗なる生涯
ミュージカルでエビータを観劇して、こんな人生は物語の中でしかあるはずがないと思いました。
しかし、本当にこんな人生を歩む人がいたんですね。
悪女か聖女か・・・正直答えはわかりませんが、こんな人生を歩んだ人がいることを知っておくのもいいと思います。