季節(とき)はめぐり、また夏が来て
以前、テレビ東京系の「出没!アド街ック天国」で仙台を取り上げた時、番組レギュラーのヤッくん(薬丸裕英)が、“恩師”であるところの仙八先生=《宗さん》をたずねて仙台を訪れるVTRがあり、その際のヤッくんの、きわめて素直というか神妙な感じは、ちょっと見たことがないもので(おそらく今後も、そう見る機会はないだろう)、かなりビックリさせられたものだったが、着々と芸能界でのステイタスを築きつつあるようにみえるヤッくんをして、そんな風にかつての彼自身へと立ち戻らせてしまう《宗さん》とはいったいどんな人なのか、そんな好奇心もまた、オレの中でふくらんでいたのだった。
そういえば、オレが住んでいるこの仙台という街をベースに、コンサート活動で全国を飛び回るスィンガー(ご自分の職業を、《宗さん》はこう表記する。どこか、彼自身のこだわりが感じられる)であり、平日夕方になれば地元のテレビ番組の顔でもあるのに、《宗さん》自身について知る機会は、意外に少ないのだった。99年7月に出版されたこの本は、そんな《宗さん》のことが気になってしょうがない、オレのような人にとっては、貴重な情報源のひとつでもある。全体に軽いタッチで書かれ、気楽に読める中に、やはり仙台に生きた童謡詩人・スズキヘキなど、さまざまな人や事物へと向けられた《宗さん》のこだわり、そのパーソナリティーが立ちのぼってくるような一冊だ。
なお、永六輔氏が印象的な序文を寄せている。
クライマックス 70’s ルビー
70年代の半ばころから、カタカナのタイトルが一気に増えた気がする。このCLIMAX 70’s RUBYでも、原田真二の「てぃーんずぶるーす」も入れれば40曲中19曲にカタカナあるいは英語が使われている。1976年には雑誌「ポパイ」の創刊やウェストコーストブームなど海外の情報が加速度的に増えていったころで、海外に追いつけ追い越せの勢いがあった時代だ。いまやJ-POPはむしろカタカナ、英語が当たり前で、日本語表記のアーティストや曲がむしろ珍しいくらいだ。あのころは海外の情報に敏感だったし、流行を追っかけるのが本当に楽しかった。いまここに収められた曲を聴いていると、どの曲も作家と歌手自身の確信と自信に満ちている。単に過去を懐かしむだけではなく、低迷する昨今の日本、これらの曲から何か展望が見えてくるのではないだろうか?
心と耳にのこるCMのうた
一定年齢以上の関西在住の人間なら、ほぼ、誰もが一度は聴いた事がある、
& 大抵の人は歌えるあの悲しげな、パルナス製菓のCM歌
『♪ モスクワの味・・パルナス・・』が収録されている、との事で、予約しました。
パルナス製菓は、CM曲のCDもリリースしないまま、
02年に自主廃業し、二度と聴けないのか、と思っていたので・・。
後は、日立電気グループの『 この木、何の木〜気になる〜』の歌も入っているので
BGM用としても、或いは、なかなか、保存対象になりがたい貴重な企業ノベリティ用の
資料としても是非、一家に1枚位は購入すべし?
宮城野より
「青葉城恋唄」のヒットや、丸一年続いた「仙八先生」の撮影などといったムーヴメントも一段落ついた時期に出版された、《宗さん》初のエッセイ集。まるで大学ノートに、濃く、硬い鉛筆で書き込まれたかのような、まだ若く、硬質な文体が印象的。後年の『季節(とき)はめぐり、また夏が来て』と重複する出来事等も、単なるリピートではなく別のアングルからみることができ、二冊あわせて読めば、さらに興味は増すことだろう。
そういえば、オレが行った年の(仙台市の)成人式の式典に、当時のアイドル系の歌手たちと一緒に《宗さん》も招かれ、ステージをつとめていた(「仙八」で教え子だった三田寛子も共演していたような記憶がある。ま、オレもそんなトシである…)のだが、出演者全員でのトークの最中だったか、いささか騒がしくなった-客席の一部を占めていた-新成人たちのことを、一瞬、《宗さん》は熱く「ごしゃいで(=叱って)」いたのだった(いささか悪ふざけが過ぎる、昨今の一部の諸君からすると、彼らはまだかわいいものだったが…)。そんな《宗さん》の姿が、その出来事からさほど遠くない時期に出版されたこの本を読んでいて、懐かしく思い出された。
なお《宗さん》の自作曲の歌詞を集めた部分もあり(「青葉城恋唄」は作曲のみのため、掲載されていない)、ステージ等の定番曲「昔きいたシャンソン」冒頭の、歌詞カードには載っていない“つぶやき”は何と言っているのか、なんて事も、この本を読むことができれば解決するのだが。
名古屋の歌だがね-名古屋開府400年記念CD-
タイトルどおり、愛知県名古屋市に関係の深い曲ばかりが収められたCD。
看板に偽りなしのラインナップだが、ここまでやるならもうちょっと頑張りが欲しかった。
具体的に何が足りないか。
過去に北島三郎、石原裕次郎、ザ・ピーナッツ、島倉千代子など錚々たるメンバーが色々と出して、その全てがヒットしなかった「名古屋を舞台とした歌」の数々。札幌やら大阪やらのヒット曲はあるのに、何で名古屋だけ・・・! まあ、これはレーベルの関係もあって難しいのでしょう。当の名古屋人にとっても、もしかしたら黒歴史(触れて欲しくない過去)かも知れないし。
「お笑いマンガ道場」のテーマが収録されているのには膝を叩きました。製作者分かってらっしゃる。ただ、これもどうせやるならもう一つ「天才クイズの歌」(CBC製作)なども収録して欲しかった。
以上のことを踏まえて、第二弾の製作を強く望む!