マナス 少年篇―キルギス英雄叙事詩 (東洋文庫)
「マナス」は、東洋文庫さんでは少年編・青年編・壮年編の3冊に分かれて出版されている、キルギス民族の誇る大叙事詩です。なんと叙事詩全体では20万行から成る、代々語り部によって伝えられてきたこの素晴らしい口承文学が、全編ではないといっても、文字化され、翻訳されて日本語で読めるのですから、何とも有難いことですよね。
キルギスという土地は、今は自治州であり、位置的には中国の西北地方になります。主産業は牧畜です。正直、余り馴染みのない地域なのですが、手持ちの知識が少ないだけに、未知の文化に触れられる喜びに大変わくわくしながら読みました。
主人公マナスの、猛々しく誇り高い性格、リーダーシップ。非常に勇敢で激しい性格で、読んでいると圧倒されるほどですが、同時に友誼に厚く、他民族出身で、優秀な人材でありながら不運なアルマムベトを将軍に抜擢して迎え入れ、かつ親友として大事に遇するなど、器が大きい面があり、知恵と勇気と情を併せ持った理想の指導者として描かれています。
私が読んだことのある叙事詩の中では、この「マナス」が、最も「友情」を大きく扱っている物語だと感じました。ホメロスの「イリアス」でも、アキレスとパトロクロスの友情が印象的ですが、あの2人は肉親です。マナスとアルマムベトは民族すら違うということを考えると、より懐の深いものを感じます。あと、女性の戦士も登場しますが、マナスほどではなくともちゃんと強くて活躍するので、同性としては嬉しいものがあります(笑)。
同時に、人間の社会につき物の嫉妬や愛憎、陰謀や分裂、葛藤や疑惑、裏切り等が生なましく描かれ、文学として一級の出来栄えになっています。
キルギス民族の衣食住や価値観等、彼らの文化も勿論とても細かく描写されており、異文化に対する更なる興味を刺激されます。
ちょっと長いと思うかもしれませんが、読んで損なしの一級文学です!ぜひご一読を。
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東南アジアのとある島で大量発生した殺人蟻。彼らは宇宙から飛来した謎のエイリアンに操られていたのだ・・・・。
あらすじを簡単に述べるとこんな感じです。
出だしはかなり良く、主人公たちが駆除に使うスプレー銃がすげーかっこよかった(てかあれレーザー銃だろ?)。
しかし後半からは見るのが億劫になってきた。結局エイリアンは地球侵略しにきた訳じゃなく、単に島に住みたかっただけ。
え〜そりゃないだろ!そんなんじゃスケール小さすぎじゃん!PWがこんなキャッチコピーを作ったのも今回は良く理解できる!
しかも最後、核兵器で蟻どもを退治するんですが、核兵器小さすぎ!そりゃC4の間違いじゃね!?と言いたくなった。ったくどこまでスケールがショボいんだよこの映画は!残念!