EXODUS
宇多田さん、待望の世界デヴュー作。方向性は前作と一緒。ちょっとアメリカ拠りにはなってますけどね。結果から言っちゃうと惨敗になったんだが、このアルバム、決して出来は悪くは無い。むしろイギリスやドイツなどで出せばそれなりの評価は得られると思う。アメリカ市場でのヒットというのは商業的には大成功出来ますが、音楽的には何ら価値が無いと個人的には思いますし、世界的に見ても嘲笑されているのが事実です。実際、自分のCDラックを眺めて下さい。アメリカで売れてるアーティストのCDは何枚ありますか?そんなこんなで個人的には売れなくて正解だったと思う。宇多田さんには悪いけど。しかし、アメリカ進出の失敗での日本人の評価の変化というのが最低だってのがかなり頂けない。つか、やっぱり日本人は音楽的にはバカばっかりだなと確信出来た。コレで次のアルバムがそれなりの評価を受けたら「やっぱ宇多田は流石だわ」とか言い出す様な糞馬鹿はマジで死んでくれ!文句ばっかり言ってる奴等は「DEVIL INSIDE」がどれだけ高度な楽曲かってのも解ってないんだろうな。。。某サイトのレヴューには「アメリカ人にCD買ってほしくて必死になったアルバム・・・という印象です。」とか書いてあるし・・宇多田だって馬鹿じゃないんだから売れる為だけだったら、もっと日本テイストを前面に出した作品作れるての。自分の楽曲のみで勝負しようとしたのが何で解らないんだ!?女子十二楽坊はアメリカで売れたが、アレがカッコ良いと思うのか?正当に音楽が評価されてると思うのか!?
KREMLINMAN
前作までにない往年のエレキギターのリフが心地よい楽曲が収められた
『KANのロックアルバム』…しかし、ちゃんとKANさんらしいピアノ曲
M2やM5、上質なPOPSのM4,M7などもありますのでファンの皆さんも安心。
アルバム全曲さらりと聴くとシンプルな楽曲たちなのですが、じっくり聴けば
メロディーやアレンジ、曲構成などの作り込みに『タイガーソングライターKAN』の
類い稀な音楽的センスの良さを感じる。
(例えば、M1からM3「ロック〜ピアノ弾き語り〜ロック」を継ぎ目なく
しかも歌詞世界を一気に飛び越えて聴かせる職人技には拍手!)
さらに様々なアーティストへのリスペクトっぷり(?)も楽しめます。
M5は『まるでスティービー・ワンダー』なハモニカのメロ(個人的には弾き語りver.の方が好きです)
M6は『まるでボン・ジョビ』なコーラス&リフ(ってコピーのカセットのCMが昔あったなぁ)
M8は『こりゃマッキー』…これは全て!(先に歌詞を見ないように。最後に、してやられます)
この流れは
アルバム「遥かなる…」の『JなBOYのあの方』を経て「カンチガイ…」では『パ○ューム』に到達(笑)
こういう音楽的な遊びを本気でやっている「無邪気なKANさん」と
もちろん、正統派POPSやバラードも「きっちりオリジナルなKANさん」。
そのどちらも見事に収める絶妙なバランス感覚をもってらっしゃる。
そんな屈指のソングライターっぷりを痛感させられるアルバムです。
クレムリン(2) (モーニングKC)
気がついたらモーニング誌で一番気になる作品になっていたクレムリン。
めでたく第二巻が発売されました。
【本のデザイン】
表紙のデザイン(特に色味)が驚くほど地味で、本屋とかで見かけたら見逃すかも知れません。
しかし、上面・側面は相変わらず赤く、派手なのか地味なのかよく分かりません。
読む前から既に作者の術中にはまっているのか!?
【内容】
一巻を読んではまった人であれば、何の心配もなく購入できるほど面白いです。
「この独特の味をいつまで維持できるか?」とか余計な心配をしていたのですが、本当に余計でした。
ますます磨きがかかっています。 特に面白かったエピソードは・・
・キャッツ、35年ローンでパソコンを購入。
・アパートの大家さん(猫)が登場。
・関羽達三匹がホストデビュー!?
・キャッツが蟹工船でバイト!?
・関羽、山賊に掴まる。 身代金は白菜!?
・衝撃! キャッツの生い立ち。
等々、どうやったらこんなアホ(最大限の褒め言葉)な話を思いつくのか分かりませんが、面白すぎます。
ひと味違うというか違いすぎる笑いを堪能したい方、速やかに購入するが良いでしょう。
クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
最初、会社の同僚から通勤用読書として借りたが。最初はよく有るアドベンチャー系ノベルだと思ったが読むにつれ食い入るように自分が読んでいる事に気付きました。
「黒い家」もよく映画に出来たなと思いましたがこれは駄目です。
この小説は読んでいくほど自分もゲームの標的にされているという危機感が生まれます。本気で手に汗握ってました。
クレムリン(1) (モーニングKC)
思い返せば大学生時分。吉田戦車『伝染るんです。』の終了後に、突如始まった高野聖ーナ『パパはニューギニア』。
笑いで引きつった下アゴを守るため、思わず雑誌から目を背けた、あの日の遠い記憶がよみがえる。
他誌の話ではありますが、カレー沢薫「クレムリン」。同様にアゴが砕けた一冊として、思わず読んでる途中に本を閉じました...。
読みながら、思わず口に出るツッコミは、「ワケがわからん」と「なんて非道い絵だ」。(これ、褒めています。)
「ワケわからん」のは、3匹のネコ・関羽を中心に、右へ左へと、笑いのたましいが揺さぶられるストーリー。
そして「非道い絵」なのは、おおよそ漫画家さんが描いたとは思えないほど毛むくじゃらでちんちくりんのネコ、そして、関羽に立ちはだかる筋肉モリモリのネズミ、など。
「もう! なんなんだよ!」と叫びながら、引きつり笑いが止まりません。
いわずもがな、ほしよりこ『きょうの猫村さん』や、横山キムチ『ねこだらけ』など、いまネコマンガには追い風が吹いています。
思うに、ネコマンガのなかで、ほのぼのネコマンガというジャンルがあるとすれば、本書は、ちくちくネコマンガ、あるいは、いじいじ・ひねひねネコマンガです。
どちらかというと、何かいい知れない不満を普段からかかえている方や、いつもちゃんとしすぎて逆に性格が曲がってしまった血液型A型の方(私か)におすすめします。
ある意味、頭ばかり使いすぎて疲れ果てた知的生産階級に、支持されるべきマンガだといえます。
とはいいながらも、表紙にあるとおり、どこか憎めない絵柄とストーリーです。
おそらく女性にも「可愛いぃ〜」なんて、喜んでいただけるのではないでしょうか。
(実際に見せたところ、「三角関係が可愛い」とか、好評でした。)
「モーニング」誌で連載されているので、毎回読むのも楽しみです。が、特に初めて知った読者の方には、単行本の購入を強くおすすめします。
一気にまとめて読まれたほうが、「ストーリー間のジャンプ率」が高く、ジェットコースター的感覚で、たましいが揺さぶられることでしょう。
あえて難点を申せば、とても手が込んでいる本書の装幀は、書店で見つけるには地味であり、在庫があってもうっかり見落とす恐れがあるということです。
私の場合、書店を巡って6店目で、ようやく手に入れることができました。
そういうドラクエの宝探し的な遠回りをしてでも、本書は、出会えてよかったと大満足できる作品です。 おそらく...。