ベスト・オペラ100
主だったオペラが収録されており、比較的とっつきやすいCDだと思う反面、歌詞カードがまるで入っていないのが難点。
手頃な価格だけに歌詞カードを要求するのは強欲だとも言えるが、より深くオペラを知ろうとする人には不向きかも。
よくある教養本の類として考えれば充分な出来と価格なので星4つとしてみました。
イシス (潮漫画文庫)
イシスとその兄で夫のオシリス、そしてその息子ホルスの物語。アルビノに生まれついた白髪赤眼のイシスはその寿命と引き換えに愛するオシリスを一度ならず死の世界から蘇らせる。
しかし当のオシリスはイシスの愛に気づくことは無い。
美しいラストシーンまで実に読みごたえがあった。
この一本のために本書を買って損は無い。というか、山岸凉子の読者は読まなくてはいけない。こんな傑作を見逃したらたいへんだ。
タイトル作に先んじて描かれた「ハトシェプスト」二作はただ一人の女ファラオをめぐる物語の断片。いつかこれを外伝とするような魅力的な長編が描かれるのだろうか。
モーツァルト:魔笛 全曲
演奏、素晴らしいです。歌唱の盛り立てに細部までこだわった感じ。『気配り』を感じます。
台詞運びは、収録用の演技でしょう。映像ではないので、テンポ良く進むのは聞きやすくて良いと思います。
一つ大きく気になったのは、シルヴィア・ゲスティの歌唱技術。歌唱力が素晴らしいのは言うまでもないが、
意図的に語尾をカットするテクニックは、夜の女王の威厳を表現していると言えなくもないが、
若干ハスキー気味な声と相まって私にはあまり美しく聞こえない。
女王のアリアを楽しみにしている人でも、その歌唱方法によって好みが分かれると思うが、
色々な楽しみ方ができるオペラの世界なので、まずは聴くことをお勧めします。
どうやら[Limited Edition]らしく、入手困難になる前に取り急ぎ買ったのですが、
演奏は素敵だしアリアは個性的だし、ということで良い買い物だと思ってます。
実践 魔法カバラー入門―女神イシスが授ける古代の密儀 (ムー・スーパーミステリー・ブックス)
詳しい解説は他の方のレビューの通りですが、
とにかく魔術やカバラーの概念を大まかに理解したい、
ちょっと興味があるのでイメージを掴みたい、
そういう人にはオススメの一冊です。
詳しい専門用語や自己鍛錬の方法は専門書があります。
でも、対話形式で易しく考え方やイメージを教える本は
今のところ他にはないのではないでしょうか?
一般にオススメされるカバラー系の本は
軟派者かつ勉強不足の自分には難しすぎます。
いずれも本文の1/3辺りから書いてあるのは
日本語ではなく宇宙語でしかなく、
どれも途中で読む手が止まっていました。
そんな“一般人”の自分でも非常に興味深く
無理なく読破できたのはこれが初めての本です。
実践、というタイトルにはちょっと「?」と抱きつつ
入門書としてはこれ以上の物はそうないと思います。
マグダラの書―ホルスの錬金術とイシスの性魔術
聖書に「穢れた娼婦」として登場するマグダラのマリアのチャネリング本です。
チャネラーは「ハトホルの書」のトム・ケニオン氏ですから、真偽の点では
信頼できると思います。
マグダラのマリアからのメッセージを読んでも、違和感なく感じ取れますし、
なんとなく気高い雰囲気を感じます。
イェシュア(イエス)とマグダラのマリアとの真の関係が明かされていますが、
聖書文化の方たちにとっては、それこそ天地がひっくりかえる程のことでしょう。
また、セックスの奥義とも取れる「イシスの性魔術」なるものも明かされていますが、
これは軽く捉えると、性欲に支配された堕落の世界を構築してしまう危険性があります。
その点で、当時の教会が女性を蔑視することでセックスを封印したことは、
それなりに意義があったことではないでしょうか。
トム・ケニオンによる内なる錬金術(意識変革)の解説は、言葉の意味を詳細に
説明してあり、非常に分かりやすかった。
書籍の大半を占めたジュディ・シオンによる悲劇の半生録は、気がめいるだけで
たいして得るものがなかったことが、残念である。