浮浪雲 [DVD]
ジョージ秋山の超ロングセラーコミックが、80年代にアニメ映画になってました!
二度のテレビドラマ化など、映像化の機会が多かったにもかかわらず、どうゆう訳か?ソフト化に恵まれなかった本作。
やっとDVDになりました。
続けて、テレビドラマの方も、ソフト化熱望!(特に渡哲也バージョン)
確か、本作は、関西では単館ロードショーだったと思います。
窮屈な映画館で、坂本龍馬の惨殺シーンとか「えげつないなぁ」と思いながら観たことが思い出されます。
とはいえ、全体的にはソフトタッチ。ジョージ秋山の絵の癖も、あまり感じさせない、綺麗なアニメ絵になっています。
浮世絵調の背景もいい感じ。尖ったところはありませんが、作画レベルは高いです。
多少エッチなシーンもありますが、ファミリー向けとしても問題ないレベル。
子供といっしょに観てたら、「お情けって何?」とか聞かれるかもしれませんが、まあ、テキトーに説明してやってくださいww
はだしのゲン [DVD]
小学生の時、たまたまこの映画をTVで途中から見て非常にショッキングであったのだが、最後まで見終えて非常に感動した記憶は今でも忘れられない。
長い間、原作を読むことを忌避していたが、このアニメを見たことで原作の方を読むことにもすんなり入っていけた。
中学や高校の頃、学校でイジメにあったりして自殺を考えるほど苦しい時期があったが、苦しい時は必ず原作や映画を見て「生き抜いてやろう」と力強い励ましをもらったものだ。
僕にとっては「反戦反核映画」というより、もっとそれ以上の、人生を生き抜くための力強く大きな示唆に富んだ、心の拠りどころのような作品なのだ。
はだしのゲンを半ば強制的に学校などで見せられた経験を持つ人は、「トラウマ」として受け止めて作品をきちんと評価できない方も多くいらっしゃると思う。
幸い、僕の場合はそのような経緯が全くなかった。ゆえに作品との「幸せな出会い方」が出来たように思える。
原爆の炸裂直後、熱線と爆風によって人々が一瞬で炭化して果てるシーンなど、確かに生理的に受けつけられない描写がリアルに為されていると思う。
しかしこの映画で描かれたことは実際に起こったことで何一つ誇張など無い。爆風によって眼球が飛び出した被爆者についての記述などは他の文献でも多く証言されている。
だからこの作品に対し「グロテスクな表現」と看做すのは誤りである。
表現がグロテスクなのではない。
それがヒロシマの真実であったのだ。
それが人間が行った所業の全てであったのだ。
この作品、美術監督は男鹿和雄であり、後にジプリ作品の多くで美術を担当することになるのだが、彼の才能が遺憾なく発揮されている。
被爆描写は勿論のこと、被爆前の広島の光景、町並みや家屋、自然の描き方、背景の絵の美しさが素晴らしい。
また音楽担当の羽田健太郎もシーンのカタルシスを高める非常に素晴らしいものがある。
脚本では原作者の中沢啓治が担当しているが、原作に多くありがちな政治的言動をほぼ完全に排し、庶民の生活描写に重点を置いた「さりげなく何気ない」台詞を適切な量で適切な場面に配置している。原作に多くある冗長で説明的な台詞は全くと言って良いほど無く、映画的な「沈黙や静寂の間」が意識的に盛り込まれている。
エピソードを多く配置した原作のボリュームはここには無い。
しかし非常に静謐、叙情的で、視聴者のカタルシスが得られやすい良質なドラマ性が大きく膨らんだアニメ化となったと言えるだろう。
最後に。
この映画に対して「R指定にすべき」だとか言ってる人々がいるが、全く無意味である。
また、学校の授業なんかで子供に見せる必要など全く無い。
興味を持った子供たちは、自然と自ずからこの映画を見ようとするだろう。
そしてそのような子供たちの心に一生忘れられないようなものを必ず残す。
それだけの力を持ったアニメだと思う。
時空の旅人 [DVD]
時をかけるなら断然こちらの作品ですね。
「時をかける少女」劇場アニメーションを視聴して憤りを感じた人はこちらをどうぞお勧めです。
昔から何度も視聴してファミコンのゲームすらも買いましたが、角川アニメーション全盛期だったころの凄さが伝わってきますね。
竹内マリアさんのエンディングテーマも名曲ですね。
青春して恋愛して未来からやってきた前髪がイカした美少年がやってきて(笑)
タイムスリップした時代で色々とあって現代に戻ってくる…
ラストの小指に巻かれた布(包帯だったか?)を見ながら呟くヒロインの一言…そして流れる竹内マリアの歌がナイス過ぎる演出に俺が何度も視聴してしまう要因かもしれない。
お勧めですな。