松本清張 けものみち DVD-BOX
全体的に観ればかなり力の入ってる作品です。特に平幹二朗と若村麻由美がとてもいい雰囲気を醸し出して一層作品を盛り立てています。米倉涼子はやはりこの手の役がしっくり来るし、仲村トオルや佐藤浩市がダークな感じでとてもいい。原作をいじり過ぎてなくて舞台を現代に移した所も分かりやすくて良かったと思います。
マンガけもの道 まんだらけ中野店副店長の珍作発掘探訪
なにか面白い漫画がないかなぁと巡回していたら遭遇。
世の中にはまだまだ知らない漫画がたくさんあることに驚かされた。
マイナー漫画のガイド本としてもかなり役に立ちましたが、
活字の苦手な僕もすんなり入って行けて、読み物としても秀逸。
その漫画の印象的なカットが多いのも、楽しいです。すごくいいですね。
この本のおかげで古本マンガ探しがまた楽しみになりました。
早速、今週末まんだらけに行ってみます。
帰れない者たちへ
昨年に発売されたアルバム『転生』収録曲のシングルカットです。
命のリレーのバージョンが、アルバム収録とは異なりますが、このバージョンもとても良かったです。
『転生』バージョンのほうは、強く逞しい歌い方でしたが、この夜会ライブバージョンは、優しさが滲み出ている柔らかい歌い方で、違った魅力があると思います。
歌詞の朗読→アカペラでの熱唱→本編突入という流れに、とても感動しました。
夜会DVD、『転生』、今回のシングルと、様々なバージョンがありますが、
同じ曲でここまで違う魅力を醸し出せるのが凄いと思いました。
けものみち (上) (新潮文庫)
清張の政界の裏側暴露路線の代表作。「けものみち」とは当然、山の中で獣しか通らない道の事で、転じて通常の人間なら通らない道を通る悪い奴らの事である。しかし、何度もTV化され、TVでは視聴率を考えヒロインを中心に描くので、悪女ものと称されるようになってしまった。
物語は、政治の世界とそれにタカル奴らを描いた重厚なもので、清張の取材力あるいはコネクションの強さを感じる。女は男が政治家に取り入る道具として使われるのだが、そうした世界に次第に染まって行くうち、徐々に女自身が悪女に変容していく描写も巧み。そういう意味では"悪女もの"という形容も外れてはいないのかもしれない。
政界の闇の部分を描きながら、女の悪女への変身振りも取り入れた清張の政界の裏側ものの佳作。