プーチンのロシア―21世紀を左右する地政学リスク
本書は、現代ロシア政治について語ってあります。
近年多かった、ロシア政治家個人の動きを追った本とか、
ロシア外交に絞った本と違って、内政・外交双方を網羅している。
また、政治入門といっても横手慎二氏の「ロシア政治入門」などは、
ロシアの地理歴史が入っていたり、
政治にしても帝政から現代まで網羅していたからかなり大雑把だったのですが、
今回はエリツィン以降の現代ロシアに話を絞ってあると同時に、
今までかつてないほど内政について語られています。
米ロ関係については近年きちんと書かれたことがありませんでしたしね。
その意味でロシアの概説書としては重宝するでしょう。
ただ、概説書ですから丹念に新聞を追っていれば得られた情報が大半であること、
つまりサプライズがない事と、政治家に対するインタビューなども一切ない、
また学術的でもないという点に留意して買ってください。
正直一晩で読めるというような抜群の面白さはありません。
ただ、左右の偏りが少なく、良書であると思います。