プロフェッショナル 仕事の流儀 農家 木村秋則の仕事 りんごは愛で育てる [DVD]
本「奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録」を先に読んだ後にDVDを見たので、少し物足りない感じがしました・・・
木村さんの壮絶な人生をDVDでは語り尽くせていないような気がしました。
ただ、見る価値は十分にあると思います。
プロフェッショナル 仕事の流儀 リゾート再生請負人 星野佳路の仕事 "信じる力"が人を動かす [DVD]
最近星野さんと面談する機会があり、星野リゾートの事件簿 なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?も購入して面白く読んでいるところから、当然のことながらこの2006年の作品に大きな関心が向いた。
最近では、カンブリア宮殿で村上龍が星野さんをインタビューし、非常に感動したという声がネット上を少し探し回ると数多く目にすることができる。
星野さんがやっていることは、当世風な言葉を用いれば、極めて質の高いファシリテーションである。現場に考えさせる、現場に決定させる、現場が自分たちのやることに共感と自信を持つ。
私が疑問に思ったのは、圧倒的に星野さんの方が知識も経験も見識も上なのだから、現場の人に議論をさせてもまともな的を得た結論など出てこないだろうというものであった。しかし、見事なまでの確率で各地の宿泊施設は成功している。そこで、私は気がついた。星野さんの質問が極めて的確なのだということだ。本当は心の中に答えは持っている。しかしそれを自分で言ってしまってはおしまいなのだ。あくまで現場の人が自分の頭の中をフル回転させて考えて、その質問に対する結論にたどり着くからこそ、実施において最も重要な腹落ち感が得られて、納得して従業員は働くのだということである。
指図されてやるのは楽である。しかし、自分で考えて、決めて、実行して、成功した時に人は大きな充実感を味わえる。それは真実だ。
参考になる本がある。論点思考である。ファシリテートの達人になるには、質問が的確でなければならない。そうしなければ、いくらでも議論がそれていく。この本は、問題設定の大切さとそのための方法を目から鱗の著述で説明している。
今後の興味としては、星野さんがこうした経営術、人心掌握術をどのようにして身につけてきたかということだ。
自分へのごほうび
著者が、この本の中で書いている気持ちは誰でも普段感じている事なのかもしれない。
誤解を恐れずに言えば、「誰もが思うフツーのコト」
だけど、この本の良さは、それをきちんと「言葉」にしている点だろう。
著者の感性の川を流れる様々な思いを、川下に流れ去る前にきちんとpick upし新鮮なうちに言葉にしている様子が想像できる。
私自身、ブログなんかをやっていて「思ったことを文章で書く」ってのは、口で言うほど簡単ではないと日々感じているので、こういう文章は素直に「凄いなあ」と思う。
しかも、(専業作家ではないためか)ありがちな技巧もなく、まさに「感じた言葉」で綴られている点が、読者の心に澱みなく入り込んでくるのだろう。
そして、言葉にするだけではなく、それを一般化というかもう少し大きな次元でとらえ、人生の指針や普段の自分を見つめなおす素材として生かしている点は、著者の意識の高さを感じずにはいられない。
しかも、決して無理して「頑張っている」様子ではなく、一つ一つを咀嚼しながら、依然として自分の言葉で。
エッセイというカテゴリーや本の装丁は女性向きではあるが、決して女性だけの読みモノではなく男性も十分に楽しめるし、ヒントを得られる本である。
プロフェッショナル 仕事の流儀 第VI期 漫画家 井上雄彦の仕事 闘いの螺旋(らせん)、いまだ終わらず [DVD]
「プロフェッショナル 仕事の流儀」のDVDを初めて購入しました。
もちろん、番組ではなく井上雄彦がめあてなのですが、観て初めて、この番組が放送時点で「編集しすぎ」であることに気づきました。
1時間番組の中に、まったくはじめての人にも分る本人の紹介、やってきた仕事、最新の活躍の様子、そしてスタジオインタビュー、と詰め込んでいるので無理もないのですが、そういえば他の人の回でもインタビューが分りにくいなあと観ていたことがありました。長時間にわたるインタビューを編集して、そこに「導入」と「核心」を盛り込み、かつ「繰り返し」も多用しているために、「流れ」が飛び飛びになってしまっているのでしょう。
このDVDに特典映像として含まれるインタビューは、かなりな長時間。質問に対する「間」があって、かつ話の流れに沿って観ることができるため、井上雄彦の仕事に対する考え方がダイレクトに伝わってきて、特に「バガボンド」のファンには価格以上の価値があると思います。
井上雄彦の場合、特集している雑誌などでは、「実績」と「絵」に注目したものが多いのですが、この番組では今完成に向かいつつある作品としてのバガボンドと、創作のスタイルに注目。
「ネーム」づくりが全て、「キャラクター」が降りてくるのを待つ、など、孤独で高度な創作の状況がリアルに理解できます。
もちろん非凡な絵の技術があっての井上作品なのですが、それ以上にストーリー(ネーム)に打ち込む姿が感動的。取材陣や茂木さんたちも、同じ表現者として、刺激を受けること大だったのではないでしょうか。
これってホメことば?
うちの娘(小2)が、この曲のサビ「♪これってホメことばぁ〜♪」を連発している。食事中。入浴中。明日の学校の準備中。。。彼女の頭の中では、このフレーズが常に渦を巻いているようだ。何の歌かと訊ねると、あのNHK「みんなのうた」で流れていると言う。
果たして「みんなのうた」でこの曲を聴いてみた。一度聴けば覚えてしまうキャッチーなメロディー。ギャグをちりばめた歌詞。なるほど、よく出来た曲だ。僕も気がつけば、「♪これってホメことばぁ〜♪」の坩堝(るつぼ)に。。。
イロモノである。サラリーマンのカラオケ(忘年会も控えているし)で、部長あたりが大真面目に熱唱し、女子社員の笑いを誘う。
「ブチョー、これってナニゲによくないですかぁ〜?」
「そうか?そうか?イケテる?」
そんな姿が日本各地で見られる日も、そう遠くはないのであろう。