Complete Best intermezzo
良かったです(^_^)
音楽家として年月を経るごとに着実にステップアップしている様子が諏訪内晶子には常に感じられますね。
前作のBESTだった「Clystal」に比べると、より音の芯部がしっかりしてきたなと強く感じます。
演奏家は演奏中にともすれば演奏そのものに酔ってしまい、作品を安っぽいラブレターのように仕上げてしまう危険を常に孕むのですが(もちろん、それがその演奏家の個性であり、だからこそ良いと感じられる方も大勢いらっしゃるのだと思いますが)、諏訪内晶子はいつも、良い意味で演奏している曲を「つき放し」、少し離れた場所から曲を見ている観があります。
それでいて、常に何か、こらえ切れない情熱の火群のようなものがチロチロと辺りに迸り出ているのをはっきりと感じさせる・・・・。
こんな、一見矛盾する要素を見事に融合させている所が、わたくしが彼女を稀有なヴァイオリニストだと思っている所以なのですが。
DVDのインタビューで、彼女の話しぶり、ものごし、考え方、そういったものを見て、「なるほど、こういうキャラクターだから、あのような音が出せるのだな」と納得させられました。
ともあれ、諏訪内晶子独自の音世界をダイジェストで聴きたい方にお勧めのCDだと思います。
リスト:超絶技巧練習曲集(全12曲)
横山幸雄氏のトランセンデンタルを「流麗」とするなら、ベレゾフスキーのそれは「重厚」という感じ。また独特のダイナミクスやアゴーギクが出現してベレゾフスキー独自の世界を作っていますね。
ただ、同じロシア人でもベルマンやキーシンの演奏に比べると、鍵盤を弾き倒すロシアン・ピアニズムを継承していながら、ピアノに歌わせる部分が弱いような気がしました。
それでも迫力ある印象的な演奏であることは、間違いありません。ベルマン、キーシンに続いて横山氏と同率3位といったところでしょうか。
なお「You Tube」にベレゾフスキーの、ライブによる1〜12番すべての映像がアップされていました。指の動きをはっきり見ることが出来ます。そして鼻やアゴから滴り落ちる汗が、この曲の最高難度を物語っているような気がしました。本CD購入の前に観てみると良いかもしれません。
リストピアノ協奏曲第1・2番
なんと言っても、1番の協奏曲が絶品です。リストのピアノ協奏曲では、アルゲリッチの弾く1番が名盤とされますが、ベレゾフスキーのものは、それを超えるような技巧性を有しています。特に4楽章の圧倒的なスピード、切迫していくリズムが一気にラストにむかっていく様は、固唾を飲み込むような緊迫感に満ちており、思わず笑ってしまう出来で、とっても良かったです。もちろん、2番と、死の舞踏も最高ですよ。
ラ・ロック・ダンテロン 2002シリーズ~ボリス・ベレゾフスキー [DVD]
僕はとにかく速い超絶技巧練習曲を聞こうと思って、はじめはデュシャーブルのCDを探していましたが、そのCDは現在廃盤で入手が難しかったので、第4番「マゼッパ」を彼の次に早く録音をしていたこのベレゾフスキーのDVDを注文してみましたが、僕の期待をはるかに上回る演奏そして映像でした…
この映像は撮影用に用意されたステージでの演奏であるので普通のコンサートの映像等では絶対にみることの出来ない角度からの映像がみれます…また映像だけでなくその演奏が素晴らしいです…特に、第4番「マゼッパ」第12番「雪嵐」で彼の真価をみることができるといえるでしょう…また録音時間も1,3,4,5,7,9,11,12番では最速クラスです!(3,9,11は緩徐系の曲ですが…)ところどころミスタッチがありますが、それを吹き飛ばすような迫力がみなぎる豪快な演奏が楽しめます!
また、オマケの映像等も収録されているのでこれは本当にお勧めです!