林檎と檸檬~村下孝蔵ベストセレクション
故村下孝蔵氏が世に送り出した作品の中で、特に著名な曲ばかりを厳選して作られたファン大歓喜のベストアルバム。切ない男心を見事に歌い上げた「初恋」が、シングルバージョンで収録されていることも嬉しい演出だ。選曲に問題はないが、聴く方によっては音質に疑問が・・・。
このCDはマスターテープを基にして作られたものなのだが、実はエンファシス(アナログカセットで言うドルビーNRと同様の技術)レコーディングされている。RECレベルが大きいのに、出力される音が小さいのはこのためだ。ヒスノイズを下げるために施されたのだろうが、そのために曲全体が浮ついた音になってしまった。これだけ著名な曲を集めたのだから、エンファシスをかけるかどうかはリスナー側に任せてもらいたかったというのが私の正直な気持ちだ。このCDをアナログカセットにダビングされる方は、ドルビーなど、ノイズリダクション機能をOFFにして録音されることをお勧めしたい。本来なら☆五つとしたいところなのだが、忠実な原音を楽しめない点を考慮し、星を一つ削った。未だに親しみ続けられている彼独自の純情路線の真髄を、殆ど網羅したCDなので、ターンテーブルをご所有でない方には是非ともお勧めしたい一枚だ。
薔薇架刑
参考までに収録曲のタイアップは次の通りです
1 禁じられた遊び/TV Rozen Maiden-ローゼンメイデン OP
2 聖少女領域/TV Rozen Maiden traumend-ローゼンメイデン・トロイメント- OP
3 君がため、惜しからざりし命さへ/阿修羅姫 c/w
4 春蚤/薔薇水晶キャラクターイメージソング
5 極楽荊姫/薔薇獄乙女 c/w
6 眠れる城/蒼星石キャラクターイメージソング
7 S嬢の秘めやかな悔恨/聖少女領域 c/w
8 名なしの森/真紅キャラクターイメージソング
9 阿修羅姫/PS2版 舞-HiME 運命の系統樹 OP
10 薔薇獄乙女/TV ローゼンメイデン・オーベルテューレ OP
11 あたしがアリスだった頃/禁じられた遊び c/w
12 薔薇架刑(アルバム新曲)
まさにローゼンベストです
禁じられた遊び [DVD]
第二次世界大戦という激動の時代。戦争に巻き込まれ、命を落とした人々や生き物がたくさんいました。また、戦争とは関係ないところで寿命を終えた人々もいました。そんななか、死というものに対して思いを馳せる生き残った人々がいました。これはそんな人々の物語。
経験不足の子供たちには死をどうとらえていいかわからない。空襲であっけなく両親と愛犬を失った少女ポーレットは死というものに対して実感がわきません。身寄りのなくなったポーレットを拾い、兄弟のように過ごす農家の少年ミッシェルも、死がどういうものかポーレットに説明するための的確な言葉を持ち合わせていません。少年少女に共通する死のイメージは、大人がなにかにつけて葬儀や埋葬のさいに強調する十字架なのです。もちろん、子供に十字架の明確な意味はわからない。でも、イメージだけが彼らの脳裏を支配し行動に駆り立てます。次々と集められる生き物の死骸。そして埋葬された死骸の上に立てられるのは盗んできた十字架の数々。
そんなどこか微笑ましく、よく考えてみれば深刻な遊びをルネ・クレマン監督はみずみずしいタッチで描きます。みずみずしいというのは、子供の純粋な心理を的確に表現しているという意味です。衝動的にやりたいことをする。なんだかよくわからないが、とにかく行動して表す。思えばクレマン監督は、こうした子供に見られる純粋無垢な心理を描写するのが非常にうまいですね。それは後の『居酒屋』、『太陽がいっぱい』、『雨の訪問者』、『パリは霧に濡れて』、そして極めつけの『狼は天使の匂い』における大人たちの行動に顕著に表れます。変に賢くなった大人よりも、感性のまま行動する子供のような人々に焦点を当てたクレマン作品には他にはない独自の浪漫を感じますね。この『禁じられた遊び』はそうしたクレマンならではの描写が純粋に子供たちそのものによって展開する、極めてわかりやすい例だといえるでしょう。
しかし、子供の美徳であるはずの純粋さも戦争の前では、そして大人たちの見栄の張り合いの前には無力であることをクレマンはまざまざと見せつけます。大人が仕切る世界では無力な子供たち。理不尽な死の不可解さ。やるせない気持ちと混乱。これは様々な死と、それに翻弄される人間を描いた胸を打つルネ・クレマンの寓話にして力作。
禁じられた遊び [DVD] FRT-098
両親の死の意味がわかっていない幼い孤児ポーレット。
彼女が世話になる家の息子ミシェル。ポーレットに喜んでもらうために
十字架を盗み・・・。
下町の庶民の家に育ったミシェルが、お嬢様育ちのポーレットに対しかわいい恋心を抱きます。
最後のシーンで「ミシェール・・ミシェール・・ママ・・ママ・・」と言いながら
人ごみの中に消えていくポーレット。そこにギターの哀しい音色が重なります。
戦争がもたらす悲惨さ、戦争こそ禁じられた遊びなのかもしれません。
どこかで聴いたクラシック クラシック・ベスト101
クラッシックに最近興味を持ち始めていますが、知らない曲はすぐ眠くなってしまうような段階です。このような状況でこのCDを購入し聞きましたが、ほとんど聞いたことがある名曲であり、とても興味深く聞くことができました。ちょっとした各曲のエピソードもかかれており、それを読むのも薀蓄がふえたような気分となりよかったと思います。