花と蛇2 パリ / 静子 [DVD]
前作はおもしろ半分と話題性でSMとはどういうものなのだろう?という思いで観ましたがこんな世界があっていいのか?とカルチャーショックをうけ、彩さんの演技に目を丸くしながら観終えました。
今作は第二弾ですが、役名や出演者が前作と同じだったりしますが全く別のストーリーです。第一弾とまた別のSM世界でまたまたカルチャーショックをうけました。
内容の評価は観る方によって良い悪いがはっきりする作品です。私は自分の知らなかった世界観が観れたという点と、杉本彩さんのファンという点から評価させてもらいました。前作は彩さん扮する静子は半分以上裸体でしたが、今回は半分以下です。
いやらしさを期待するのではなく、彩さんのキレイな美体と日常とかけ離れた世界を観てみたい、という方にオススメです。
ただ両作ともいじめられている静子を観終わったあと、むなしく悲しい思いになっていたのは私が女だからでしょうか。
花と蛇 [DVD]
杉本彩の体を目当てに見たのだが、とんでもないことになった。
SM映画と思っていたのが、それもやや違う感じだ。
影の実力者である老人に目を付けられたボンボン社長(野村宏伸)の令夫人・静子(杉本彩)。
夫の裏切りで静子は想像もしない世界へと引きずりこまれることに・・。
杉本彩の体当たりの演技は鬼気迫るものがある。迫り来る死の恐怖と拷問の数々。
エロスどころかバイオレンスだ。果たしてボンボン社長は愛する妻を取り戻せたか?
大事なものは金では買えないのですね。
軽い気持ちで見始めたがすっかり引き込まれ、終いには縮み上がってしまいました。
真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫)
「この男には不可思議な魅力があった。人間の純粋性と不純性を兼ね合わせていて、つまり、
その相対性のなかで彷徨をくり返していた男……善意と悪意、潔癖と汚濁、大胆と小心、
勇気と臆病といった相反するものを内包した人間……多くの人に徹底して嫌われる一方、
また、多くの人に徹底して愛された男である。……人間としては出来損ないであったが、その
出来損ないにできているところが彼の人間的魅力であった」(「はじめに」より引用)。
おそらくは客観的俯瞰的な記述を心がけたには違いないが、団の文体も近しきが故にこその
愛憎が入り交じり、小池の軌跡にえもいわれぬ奥行をもたらす。
天才に中庸なく、幸福はただひとつ中庸にのみ見出される、ゆえに天才に幸福なし。
狂気と天才は紙一重、とはまさしく文学史の王道パターンのひとつ。
そして時に事実は小説よりも奇なり。小池の凄惨な生涯が表現する滅びの美を前にしては
満たされた書き手による凡庸なフィクションなど所詮、その存在価値を失う。
小池個人や将棋への関心云々を超えて読まれて然るべき名作。