フリーダ・カーロのざわめき (とんぼの本)
てんこ盛りの内容、印刷の発色もすごく良いです。
こんなに大きいスケールのアーチスト世界を
とてもコンパクトなサイズにまとめています。
収録されている作品のチョイスもよいけれど、
モノクロの写真資料や記事なども、画家の
作品世界の奥行きと拡がりを感じさせてくれます。
フリーダの激しく、美しく、切実な原色世界が
小さい紙面からはちきれそう。
お値段も手ごろなのが嬉しいところ。
フリーダ・カーロのめくるめく世界に
魅惑されるための、第一歩。
スラムドッグ$ミリオネア [DVD]
鉛色の空の下、生きることに必死になってきた少年のひたすらにピュアな愛の歩みを感涙にむせびながら観る最高傑作の映画です。
舞台はインド、ムンバイ、スラム。
その青年は、幼い頃からいつも生きるか死ぬかの”運命”の分かれ道に立っていて、そんな中に同じ境遇の少女に出会うのです。
恐怖の瞬間のほんのひと時、少女との何気ない遊びの中で、お互いに安らぎを感じ、こころがつながるのです。
それが彼女との”運命”の出会い。
地に這いつくばって、這いつくばって、饐えた匂いに、度重なる悲惨な光景を目にして、必死に生きてきた流れは”運命”。
そして、クイズミリオネア(インドの人気クイズ番組:コウン・バネーガー・カロールパティ)でのファイナルアンサーも、生きてきた証である”運命”。
それは、ずっと探している愛する女性を見つけ出す”運命”。
この作品は、相関的に幾十にも重なり合い”運命”というキーワードを中心に、永遠に変わらない愛、愛情の深さ、情熱のアツさをよく伝えています。
シナリオ、シチュエーション、ロケーション共に異色で、他に類を見ないユニークさがあります。特にシナリオの作りが実に巧妙です。
イギリス映画ということで、リアルなヘビーアジアンテイストと雰囲気的に多少の誤差は感じられますが、許容範囲であり、むしろ客観的に描写できているのではないかとも思えます。
ラストシーンは、なぜか辛く耐え抜いた苦しみから解き放たれた”光”が見えてきます。おススメします。
心理学 ― PSYCHOLOGY (〈1冊でわかる〉シリーズ ― Very Short Introductions日本版)
『Psychology A Very Short Introduction』の訳書だが、原書そのまま+αの訳文なので少々読みづらい感じがある。もう少しわかりやすい日本語に言い換えて欲しかったが、時間的制約があった+翻訳の大部分は学生・院生が行った、ということで仕方ないだろうか。
ただ、原書を読む際に参考に使うということなら問題ない。また、山中康裕氏が原書で取り上げられていない臨床の分野の説明を補っており、「さらなる心理学の学びのための100冊」ということで推薦図書も挙げられている。
総合的に判断して、特に可もなく不可もないような印象を受けるが、日本の概論書とは少し違った感じの概論書を読んでみたい人にはいいかもしれない。
ディアー、レット・イット・アウト
北欧のゆったりした音楽イメージと、彼女のかわいい声でとても癒されます。ずっ〜と聞いていても飽きない音楽です。
お目覚めにもおすすめですが、週末の午後ゆっくり、ワインやハーブティーなど飲みながら過ごす時間に、ぴったりです。
Diary of Frida Kahlo (Abradale Books)
以前から彼女の存在は知ってはいたが、「なんとなく君が悪い絵」というイメージしか持っていなかった私だが、今回映画・展覧会が開催されて両者足を運びそのバックグラウンドを知って彼女の絵の奥深さにすっかり魅了されてしまった。この本は通常の彼女の作品を集めた画集とはまた一味違っている。日記という個人的な媒体を通してそこに描かれている、ある意味彼女のもっと心の奥底の部分、素の部分が現れていて、見るものの心を奪う。彼女の作品に興味を持った方には是非見てもらいたい一冊。買って損はなし!おすすめです。