格安エアラインで世界一周 (新潮文庫)
KIX−SIN、LAX−NRT以外の路線を、行き当たりばったりにLCCで繋ぐ旅日記。
遅れや欠航のおそれがあるので、全てを日本で決めていくわけにはいかず、発着地間近でネット上からチケット購入するのだが、どこのLCCでどこに繋ぐかを時間と銭の制約内で、どこだか聞いた事もない都市名がずらりと並ぶ中行うのは簡単ではない。
以前私はマイル修行で、米国内を縦横無尽に夜行や空港内での夜明かしも含め行った事があるが、それは全て同じ航空会社で、日本出発前に路線図をパズルのように組み合わせチケット手配を完了させた後であり(しかも機内食やサービスは通常通り付随)、本書のように参考資料もままならないまま決めたわけではなく、そのあせりや苦労は察するに余りある。
また以前のLCC乗り継ぎ失敗で舐めた辛酸や、格安航空券情報雑誌発行時の懐かしい経験と今回の旅とを組み合わせる筆致は著者ならではだろう。
シャルージャやバンガロールで、LCCは出稼ぎを運ぶ一昔前の農村から都会への夜行列車のような悲哀を感じさせるとともに、日本で起きよう近未来の未熟練労働者の海外出稼ぎを想像させる。
現在日本に乗り入れているジェットスターなどLCCは、旅をメインにアピールしているが、豪経済を成り立たせているワーホリなども大量に運んでおり、やがてLCCが旅行者でなく労働者を運ぶ事がメインの目的と周知され、赤字な各地方空港に就航していくのではないかと思うと切なくなるのだった。
日経 TRENDY (トレンディ) 2010年 11月号 [雑誌]
トレンディはよくコンビニでみかけていたものの、これまで買ってまでは読んでいませんでした。
今回、スマートフォン特集ということで買って読んでみたら、結構深くまで掘り下げて取材されているんですね、驚きました・・・。
と思って本のタイトルをもう一度読んでみたら、「日経」トレンディなんですね。
だから深いのかな?