燃え上がれ!ガンダム・ブラス
渡辺 岳夫と松山 祐士という2人の作曲者による『機動戦士ガンダム』の音楽は、日本のアニメイション史上、ひとつの画期的な作品であると思う。
このCDには、ブラス・バンドのために編曲された50分程の抜粋が収録されている。
三宅 一徳による編曲は、『機動戦士ガンダム』のファンであれば、思わずニヤリとさせられるような巧みなものである。
作品中の印象的な場面を演出した断片的な楽曲が組曲風につなぎあわされており、ひとつの独立した音楽として充分に楽しむことができるだろう。
演奏は、大友 直人の指揮のもと、東京交響楽団のブラス・セクションが担当している。
ただ、個人的には、たとえば、東京佼成ウインド・オーケストラや大阪市音楽団等の国内で活動する世界水準のブラス・バンドと比較すると、その響きが脆弱なものであることに漠然としたこころぼそさを感じた。
もちろん、そこには、編曲の責任があるのも紛れもない事実であろう。
編曲は、総体的に、数々の旋律をていねいに奏でることに主眼を置いており、一般の音楽ファンがブラス・バンドに期待する巨大な躍動感に溢れるダイナミズムを必ずしも前面に押しだしたものではないのである。
いずれにしても、鑑賞後いだいたのは、どうせ資金を投資するのであれば、ブラス・バンドを対象としたものではなく、新たにフル・オーケストラを対象とした1〜2時間の交響組曲を編むほうが、音楽界と音楽ファンには格段に貴重な貢献となったのではないかという感想であった。
結局のところ、フル・オーケストラと比較すれば、ブラス・バンドの表現能力にはどうしても限界があるし、また、渡辺 岳夫と松山 祐士のもともとの音楽自体も、弦合奏を含めたいわゆる「オーケストラ」を想定したものである。
敢えてブラス・バンドを用いた「新編曲」を発表することに果たしてどれほどの意義があるのだろうか? ――そんな漠然とした不満を覚えてしまうのだ……。
換言すれば、それは、このCDが、それなりに優れたものでありながら、ブラス・バンドという表現形態に対するわれわれ鑑賞者の「偏見」を刷新してくれるほどのものではないということでもあろう。
ともあれ、数回聴いてたのしむには、問題のないCDといえるのではないだろうかとは思う……。
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