昭和天皇・マッカーサー会見 (岩波現代文庫)
昭和一桁生まれの世代である小生にとっては、戦後の混乱期における天皇の行動は今まで秘密のベールに包まれており、本書によって明らかにされた事実は衝撃的でした。様々な文献を参照して分析を加えた記述は綿密でその内容には説得力があり、多くの方々にお読み頂く価値があると思います。戦中・戦後の天皇の行動に対してどのような批判・感情を抱くかは各個人の自由ですが、小生にとっては非常によい参考になりました。本書に記述されているような事実が一般のマスコミではあまり報道されていないのは不思議な気がします。もっと広く公開されるべき事実が描写されていると思いました。
わが記者会見のノウハウ―スキャンダル克服の秘訣
当著で惜しげもなく開陳されているノウハウだが一般人が使いこなせるかと言うと大いに疑問。背後に治安権力という圧倒的なバックグラウンド(情報量)、そして何より佐々氏だからこそという個人的資質も忘れては生兵法は怪我のもととなりそうだ。巻末講座レベルならば普通に「論理で人をだます法」(著)ロバート・A・グーラの方がいいでしょう。この本の魅力はそのような小手先の技術ではなく、圧倒的なまでに生々しくそして楽しいエピソードの数々だ。ある程度年月が経った今だからこそなのか、もう怖いものがなくなったのか大いに笑わせていただいた。
曰く、航空自衛隊が創価学会を監視しているということを追求しようとした公明党の黒柳明参議院議員に対して、そのソースの出所は創価学会員が自衛隊、しかも機密情報に触れるような幹部にいる事と同義。事を大きくするなら警務隊を使うと脅迫して黙らせたとか、竹田統合幕僚会議議長が雑誌で政府批判をしたことに対して怒り心頭の社会党大出俊議員に対して同じB29を落とそうとした戦友つながりという情でもってほだしたといった今ならば時効?というエピに始まり、テレビ放送での暴言を巡るイスラエル大使とのやりとりだとか非常に楽しい(私は生放送ニュース番組で、凶悪犯が捕まったときに安住キャスターにむかってすかさず「貴方は運がいい」という不謹慎極まる発言をしたことを思い出しましたが(笑))。
前陛下崩御時に「安らかにお眠りのように拝見いたしました」というまさに黒とも白とも付かぬ絶妙のコメントで記者の追求を躱された竹下元総理のエピソードなどを拝むと昨今の政治家の底の浅い発言と比較して素直に唸らされます。私はそれこそ当著でも組織防衛のひとつとしてあげられている「ネガティブリスト」として故後藤田氏から墓場まで口を封じるように命じられていることがあると睨んでいるのですが…ますます佐々氏から目が離せません。
実践マニュアル 広報担当の仕事 すぐ役立つ100のテクニック
今、この本は企業広報部だけではなく、PR会社(広報ノウハウを提供するPR専門のコンサルティング会社)の若手スタッフの間で必携のアイテムとなっています。
つまりプロも活用しているということです。
実践的なマニュアルとして活用できますので、広報関連の業務を日々行っている方には大変役立つでしょう。
実践書なので、広報を始めたばかりの方や、学生さんには不向きかもしれません。