Again
ニール・ヤング以外は今となっては現役のビッグ・ネームはいないが、昔はスーパー・グループ扱いだった。しかしこの音楽のインパクトは、60年代後半のアメリカ、ウエスト・コースト(特にサンフランシスコとか)にいた者にこそ伝わるのだと思う。要するにCultureの1シーンなのだ。FENのラジオではいまだに時々かかってるし。
ただ純粋に音として聞いても、アコースティック・サウンドと多彩なテイストを持ったこのアメリカン・ロックは2002年の今では再びかっこいい音なのでは。
Buffalo Springfield
バッファロー・スプリングフィールドの名前を初めて聞いたのは細野晴
臣が出演したラジオ番組で。サイケ調でいながらどこかもったりした感
じの楽曲が妙に印象的だった。
それからしばらくして三枚のオリジナル・アルバムを同時に買ったが、
なんだかんだいって一番の愛聴盤となったのはこれ。
はっきり言って少々とっちらかった内容。名盤と言うにはちょっと役不
足。でも少々地味ではあるけれど基本的に捨て曲が無いし、演奏もとて
も良い。一回聴いただけでは、なかなかその良さは理解できないけれ
ど、どこかひっかかるものはあるはず。そのひっかかるものが何かを探
求するために幾度と無く聴き直すことになります。
このアルバムだけでなく彼らが残したオリジナル・アルバム全部に言え
ることだが、聞き直すたびに何か新しい発見があるのがすごいところ。
少ない音数でどれだけ聴かすかという見本のような演奏だと思う。
とぎすまされたセンスでバンド・アンサンブルの妙を昇華させたという
意味ではビートルズと双璧をなすと勝手に信じているのだが、どうか?
バンド経験ゼロの僕がこんなことを言うのもなんだが、現在バンドをや
っている人に是非聴いてもらいたい。音作りのセンスで聴衆の心をつか
むにはどうすればいいかというヒントがこのアルバムの随所に隠されて
いると思うから。
またリアル・タイムではあまり評価されず、解散後に再評価されるよう
になったこと、細野晴臣がいたはっぴいえんどへの影響、ミュージシャ
ンズ・ミュージシャン的傾向が強いこと、その魅力の不可思議さなどリ
トル・フィートとの共通点が見え隠れするのも興味深い。
アゲイン
素晴らしいの一言です。ロックンロール・カントリーロック・ジャズ・サイケ・ラテン・
ウォールオブサウンドなど、70年代に引き継がれ、発展したロック音楽のサンプルみた
いなアルバムです。
現実のグループ活動がぎくしゃくしていた頃のものとは思えないほど、緻密にアレンジ
された曲が揃っています。その後、主流となるスタジオでの編集作業を時間をかけて、
繰り返すことでクォリティーを高めるやり方も、ビートルズのホワイト・アルバムなど
と同様の効果を生んでいます。
スティーヴン・スティルスの「ブルーバード」・ニール・ヤングの「エクスペクティン
グ・トゥ・フライ」が特にいいですが、他の曲も整然と聞け、全体の流れに違和感を感
じません。何度聞いても、新鮮感を感じますね。