霞
「霞」は、テレビアニメ「二十面相の娘」のオープニングテーマです。
歌詞は明らかにラブソングなのですが、このアニメの独特の世界観、ひいてはその背後にある乱歩の世界によく馴染んでいると感じます。これは、一曲の中に、夜、闇、夜空、星空といった歌詞が何度も出てくるためだと思います。(「夜の夢こそまこと」とは、大乱歩の名言です。)
また、曲の半ばにある「突然君が居なくなった」というフレーズは、アニメの主人公の女の子が二十面相によって日常の世界(うつし世)から連れ去られたことを暗示しているようです。実際、アニメのオープニングは、この歌詞から始まっています。
「霞」は、普通に聴いても、ラブソングの名曲だと思います。
それが、アニメ「二十面相の娘」とのタイアップによって、さらに輝きを増しているのです。
二十面相の娘 8 (MFコミックス)
アニメをたまたま観て、やたらと女の子が蹴飛ばされる漫画だなぁ、という印象を受けた。
そしてやたらと気になったので、単行本をまとめ買いした。
少女の成長物語でありながら、二十面相の遺産がしっかり設定されていて、SF、怪奇、推理を
上手く混ぜ込んだエンターテインメント作品に仕上がっていて、一気に読めた。
まさしく江戸川乱歩シリーズを読んでいた頃、童心に帰れる漫画だ。
こういった良作は最近見かけなくなったので、純粋に面白い漫画を読みたいのなら
本作をおすすめする。
二十面相の娘 6 (MFコミックス)
あくまでも真正面から心湧き踊る少女冒険活劇の正道を進み続ける本編!
そして、そこだけ「菫画報」が復活したような楽しい描きおろし「少女探偵団秘密手帳」!
チコちゃんにそんな秘密が!
トメさんがあんな秘密を!
そしてコイトさんにこんな才能が!
もう、なんて楽しい・・・^^!
本編でも、もう見れないと思ってた二十面相一味が勢ぞろい。いつも一人で戦っているチコちゃんが、みんなといるだけでうれしくなっちゃうよ。
スピード☆スター
昨今は暗くダークな女性ロックが多いですが、この作品は説明とおりの明るいギターロックが根底にあります。アイドル声優さんですが、やはり聴いて気持ちいいものは、良いという観点から充分に楽しめました。
ギターリフやノリノリのビートにキュートな声は相性が良いのです!
シングルの曲が多いのやや難ですが、とりあえず、キラキラしたガールズロックを聴きたいならこれは良い一枚ですよ!
個人的にはもっともっと削ぎ落としたシンプルな骨太ロックに挑戦してもいいと思います!ポップな声も重い声も出せる人なので!
また2ビートで派手なメロコア調の曲にもマッチしそうな声です。
声優、アニメのカテゴリーで聴かず嫌いの人にも届くといいなと思いました!
スピード☆スター(初回限定盤)(DVD付)
平野綾2ndアルバム「スピード☆スター」。非常にノリがよく疾走感に溢れた作品。彼女のロックを全面に押し出した意欲作である。
ポップでアッパーな「Super Driver」「Sing a Song!」、リズムが心地よい「OH! My Darlin'」「Kissme」、ミディアムテンポの「水たまり」「あの花のように」、というブロック構成。後半はブラスの入った「アイシテ!」、グラマーな「LocK-oN」などのアレンジは広がるが、ロックの枠から外れない統一感がある。中でも意表を突かれた感じのM4M5あたりが特に気に入った。
全13曲中5分を超える曲はなく、トータルも50分を切っている。前作と比べるとタイトな内容である。
ただ、いくら勢いがあっても曲調が絞られたため、曲数を重ねるにつれての単調さはどうしても感じる。これならさらにコンパクトにしたほうが、完成度や聴きやすさも増したかもしれない。また、1曲もしっとりとしたバラードがないのも残念な部分。はっきり言って真新しさもほとんどない。
評価点としては、本人作詞曲が増えたのは大きな前進である。詞の完成度はムラがあるものの、「Sing a Song!」では自分の意思をしっかりと歌い、「水たまり」では表現力の幅が広がった。内容はラブソングが多めで稚拙な英語表現も目立つが、これに関しては平野綾のブランドとして確立している。そういう意味では、より「らしさ」が強くなった。今後、さらに洗練されていけばと思う。
そして歌も上手くなった。感情の込め方や、特に発声の良さはしっかりレベルアップしている。と、ちゃんと収穫もあった。
平野綾流ロックの決定盤。革新的な進化はないが、歌手としてアーティストとして着実な成長を感じた。
ただ、次もこの路線じゃつまらない。というか、勿体無い。次作では変化にも期待したい。