おにぎりの丸かじり (文春文庫)
10月から続いた丸かじりシリーズ200万部突破記念の文庫本3ケ月連続刊行もこれでおしまい。丸かじりシリーズは文庫で読むことにしているので、毎月新作が読めるという幸せに浸ることができた。
丸かじりシリーズで好きなもののひとつに、○○を丸かじりしてみる、という実験?がある。
ショージ君は過去に(還暦を過ぎてからも)クリスマスケーキをはじめ様々な食べ物を丸かじりしてきた。ゴーヤを丸かじりしたこともある。丸かじりではないが、生八つ橋を10枚重ねて食べたりもしている。
エッセイのネタとして丸かじりしてみた面もあるのかもしれないが、それより大きな部分を占めるのはやはり好奇心なのだと思う。彼のエッセイが凄いのはそんなことをしてもまったく嫌味にならず、読者もその姿を想像しつつクスクス笑えることだ。
今回もありました。それも三つ。
「マツタケ」、ちょっと変化球の「おかずも何もなしで丼飯一杯(しかも大盛)を食べてみる」、番外編?として「一口で肉マンを食べてみる」だ。
で、マツタケの丸かじりは経済的に無理、というか買ったとしてももったいなくてできないので、「丼飯一杯」をやってみた。筆者は妻子持ちだが誰も協力してくれないだろうし、そんなこと恥ずかしくて言えないので子供には隠れてやってみた。妻はあきれるばかりで相手にしてくれず・・・。
書いてある通り、ツライ・・・。
ショージ君は最後の一口を「メンタイコ3粒」で食べたが、メンタイコがなかったので醤油をひとたらしして食べてみた。
ショージ君はそのおいしさを「体が震えた」と表現したが、それは醤油でも同じ。体が震えた。
福田和也の超実践的「文章教室」~スゴ腕作家はなぜ魂を揺さぶる名文を書けたのか~ (ワニブックスPLUS新書)
書名は、『超実践「文章教室」』だが、内容は著名作家の「表現技」に関する解説である。それを承知の上で、本書を手に取る読者には興味深い一冊であろう。しかし、ビジネスライティングの参考書を期待する読者には推奨できない。ビジネスライティングに要求されるのは、一にも二にも明晰性と簡潔性であって、技巧や文章展開の意外性ではないからだ。すなわち、すぐれた文章は、読み手や目的、状況等々によって幾通りもありうる。この点が、文芸作家を目指すわけではない一般社会人の文章修業の一番難しく、悩ましいところである。野口悠紀雄氏の『「超」文章法』は、大蔵省時代の三島由紀夫氏が書いた文章を時の上司愛知揆一氏が「下手だ」と論評したというエピソードを披露している。文芸家の「名文」と実務家の優れた「ライティング力」には、かくも大きな隔たりがある。
コロッケの丸かじり (文春文庫)
ショージ君をイメージする単語のひとつに「コロッケ」があった。筆者は解説が楽しみ(たまにつまらない解説もあるが)なので、このシリーズは文庫本で購入することにしているのだが、「コロッケ」は初期の頃に使用済だと思い込んでいたので、今頃タイトルに「コロッケ」が使われていることにちょっとびっくりした。文庫本は全巻揃え何度も繰り返し読んでいるのに・・・。
丸かじりシリーズで好きなネタのひとつに、○○を丸かじりしてみる、という実験?がある。
ショージ君は過去に(還暦を過ぎてからも)クリスマスケーキをはじめ様々な食べ物を丸かじりしてきた。ゴーヤを丸かじりしたこともある。
エッセイのネタとして丸かじりしてみた部分もあるのかもしれないが、それより大きな部分を占めるのはやはり好奇心なのだと思う。彼のエッセイが凄いのはそんなことをしてもまったく嫌味にならず、読者もその姿を想像しつつクスクス笑えることだ。
今回ショージ君は、正確には丸かじりとはいえないが、生八つ橋がどうしてあの形になっているのかという真意がわからず、生八つ橋を10枚重ねて食べたりしている。更に5枚を丸めて食べてみたりもする。
この衰えを知らない好奇心、もう脱帽するしかありません。