うそつき大ちゃん (ポプラの森)
主人公の健太は、どちらかと言えばクールで、シャイな小学6年生。いつまでも無邪気で流行の遊びにも加わろうとしないクラスメートの大介が理解不能で、できるだけ関わらないようにしています。3年生のときはあれほど仲が良かったのに..。
でもある日、大ちゃんをたまたま見かけた川での出来事から、健太と大ちゃんの心がつながっていきます。近所の小さな自然の中での小さな冒険。与えられたものではない、自分たちで見つけ出す遊びの楽しさ。
登場するクラスのアイドル的な女の子や、いかにもという感じの優等生等が、遊びで経験を共有することからひとつになっていく様が実に爽快でした。それぞれの得意・不得意もまきこんで魅力的な役回りを演じているのもなかなか楽しめます。
淡い恋心が芽生えたり、自分について自問したりとちょっと大人への第一歩を踏みだしながらも、一瞬で無邪気な子供に帰ってしまったりする微妙な時期の心のゆれをよく表現できていると思いました。
小学校の課題図書らしいですが、「本なんか読んでないで外に出ておもいっきりあそんでみようよ」と言いたくなるような素敵な本でした。
NHK大河ドラマ 毛利元就 完全版 DVD-BOX 第壱集
毎週、出るか出ないかの経久の登場を楽しみにしていました。奥さんとの絡みも好きでした。ですので経久が死んだ後の寂しさは、忘れられません。もう少し尼子家を掘り下げ登場人物を増やし、長男の戦死や実弟、家臣団とのコンビプレー等を描けば、尼子家没落がさらに印象的なものになり、また経久退場しばらくして晩年の元就を緒形 拳さんが演じるサプライズがあったならば、最高のドラマになったと思います。子役の使いまわし以上に斬新では?中村 橋之輔のボヤキの元就は好きでしたが、中国地方を支配した人物には見えませんでした。私的には三本の矢を握りつぶしてしまいそうな緒形さんの方が元就のイメージです。
スーパーヒーロー・クロニクル 特撮ヒーロー主題歌・挿入歌大全集I
「スペクトルマン・マーチ 」(スペクトルマン) 、「ネビュラの星」 (スペクトルマン)
はオリジナル盤を聴くことが意外に出来なかった曲で、収録に感謝。
特に「ネビュラの星」の殺伐とした歌詞は、当時でもよく問題にならなかったものだ、
と変に感心します。さすがピープロ。
また、「快傑ライオン丸」全曲の収録も近年なかなか無かったので、マル。
近年、色々な意味で再評価の機運あるピープロ作品主題歌を味わえます。
「魔人ハンター ミツルギ」の「走れ嵐のなかを」は、
特撮ヒーローものとして大変斬新な楽器編成が楽しい。
三味線とジューズハープ(と思われる)の音色が時代劇とウエスタンの融合を感じさせる。
歌唱法が演歌なのも斬新と言えば斬新。
「アイアンキング」と「ジャンボーグA」はカバー版です。
各々10秒以上曲が長く、緩慢な印象のアレンジですので、
ご注意ください。
軍歌・戦時歌謡大全集 7 映画主題歌 (1)
有名な曲があるものの、全体としては凡庸
評価の高い戦後50周年記念「軍歌戦時歌謡大全集」シリーズ。
その中でもばら売りで、手にも入り易いコロムビア版からの1枚です。
さてこの「映画主題歌」と題したCDは、
当時の国策映画の主題歌や挿入歌をまとめたもの。
(一)と(二)があり、このCDは(一)に当たります。
時期は支那事変から大東亜戦争中盤まで。すべて戦前録音です。
全体をみての評価は凡庸、といったところ。
「暁の祈る」や「燃ゆる大空」といった超有名どころも収録されていますが、
総じて見ればあまり名曲に恵まれていません。
「良い軍歌を聴きたい」という人向きではなく、
「とりあえず軍歌を収集したい」人向きの一枚です。
その中でも比較的優れたものを挙げておけば、
「進軍の唄」「熱砂の誓い」「索敵行」あたり。
その次としては、「大空軍行進曲」「大号令の歌」など。
あとは好みの問題でしょう。