NHK大河ドラマ 龍馬伝 完全版 Blu-ray BOX―3(season3)
第3部は、長崎で「亀山社中」を開き薩長同盟に奔走する中、「寺田屋事件」をくぐり抜けお龍と結ばれるまでが描かれます。
まず、出演者がいい。石橋凌や蒼井優ちゃん、上川隆也の中岡慎太郎も見事はまり役。高橋克実の西郷が意外に似合っていて感心しましたが、なんと言っても伊勢谷友介の高杉晋作でしょう。ざん切り頭に着流し、遊郭や戦場で三味線片手にどどいつをうたう姿が最高にかっこいい!
歴史ファン、幕末ファンから見ればかなり史実とかけ離れた龍馬像に思えますが、熱い青春物語として今までの大河の常識を覆す現代的なヒーローとして描かれています。
龍馬伝 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
中高年男性の歴史ファン層だけでなく,俳優の美麗な写真を惜しみなく使用しているため,美男子目当ての主婦層にも満足のガイドブック。前編と比して,俳優陣の配役写真が充実し,ようやくガイドブックらしくなった。このシリーズは毎年そうだが,取り扱いは小さいながらも俳優写真横にある「登場人物略歴」欄(=例えば,坂本龍馬はこういう人物だったという解説のこと)が素晴らしく,登場人物それぞれにドラマチックな文章で書かれてあり,TV視聴時の登場人物に対する感情移入に一役買っている。その他,視聴を忘れてしまった時に役立つ「あらすじ(後編)」や,旅行ガイドブックを彷彿とさせる記事もあり,様々な方向からの興味を受け止めるだけの懐の大きさを持った,NHK大河のお供に最適な良著である。
NHK大河ドラマ 龍馬伝 完全版 DVD BOX―3(season3) [DVD]
亀山社中結成からお龍との新婚旅行までの全10回。
2部延長の余波で「詰込み過ぎ急展開」が
非難対象になったというのは分かる。ただ、
それを差し引いても主演の福山雅治は勿論、
香川照之(岩崎弥太郎)、伊勢谷友介(高杉晋作)、青木崇高(後藤象二郎)、
桐谷健太(池内蔵太)、蒼井 優(お元)に原田泰造(近藤 勇)…各俳優の
名演熱演を挙げればキリがない。ことに谷原章介演じる桂小五郎は
実際もこういう人物だったのかな、と感じさせる風貌と貫録が圧巻。
藩に頼らず、自分達で社中を立ち上げた龍馬。
武士の拘りを捨て商人の道を突き進む弥太郎。
そして幕府に頼らず独立割拠する高杉・桂ら長州勢。
皆己で考え、独立自尊の精神で生き抜いてきた。
それは演出・美術らスタッフ陣の仕事ぶりにも通じ、この作品ならではの
リアリティに満ちた独自の世界観を創り上げている。
真摯に生きるとは…という問いを極限まで突きつめれば、こうなるのかも。
【初回限定生産】NHK大河ドラマ 龍馬伝 完全版 Blu-ray BOX―4(FINAL SEASON)「NHK大河ドラマ 龍馬伝 龍馬伝紀行ガイドブック」付き
“龍馬を殺さないで!”との一部視聴者のムチャな声もあったと聞くが(笑)、2010年11月28日、福山龍馬暗殺の最終回はオン・エアされ、NHK「龍馬伝」は完結した。
僭越ながら、個人的には、歴史上の偉人の一生や時代小説の類のジャンルは好きではない。説教臭いし、いかにもPHP的処世術を良しとするムードを感じるからだ。
NHKの大河ドラマも、そのいかにもオーソドックスで保守的な演出も手伝って、これまできちんと見た事もなく、だから今シリーズも興味薄だったのだが、家内につられて、ちらちらと画面を追う内に、その魅力にすっかりハマってしまった。
では、自分にとって、このドラマの魅力とは何だったのか。それは、とにかく、その“熱さ”に心揺さぶられたからに他ならない。
政治的閉塞感、不正、異国への脅威と異文化への憧憬、現状打破と尊王攘夷、策謀と革命の血潮がうねりを上げて濁流となった時代背景。
喧騒にして混沌とした幕末の激動期、そのダイナミックな題材に呼応するかの如し、今ドラマも、映画的なダイナミズムがほとばしっている。
その中で、考えは違っても、大志を以て、故郷を離れ、疾走し、心骨を注いだ下級武士たち。志半ばで挫け潰えてしまった者たちの無念さと想いが心に響くのだ。
大河らしからぬ、斬新で凝ったカメラアングルとライティング、殺気立った俳優陣の熱演、そして、佐藤直己による映画音楽を過分に意識したかのような壮大かつ抒情的な素晴らしい楽曲の数々。実に見応え、聴き応えがあった。
今作は飽くまでも龍馬が主軸、歴史上有名な史実にことごとく絡んでくる展開に、史実と違うとの意見をよく聞く。
時代考証がなってないとか、他の登場人物たちを矮小、歪曲化しているとか、批判も多い。
でも、良いじゃないですか。ヒーロー不在の現代、龍馬的生き方、行動力、思考は、そのキャラクター像を含め、極めて魅力的だったし、感動、共感も得られたのだから。作り手たちも、批判覚悟で、確信的に、独自の歴史解釈をしたと思う。
脚本の福田靖は、普段はフジTVをメイン・フィールドで活躍するヒット・メーカーだし、極論すれば、今作も、社会派エンタメ路線として楽しんでもいいんじゃないか。
福山龍馬は男気と優しさが横溢していて、真っ事、粋でしたね。香川弥太郎が、愛憎半ばで悶々とする気持ち、痛いほどよく分かります(笑)。